【古典邦画】「三十三間堂通し矢物語」

成瀬巳喜男監督の、1945(昭和20)年の作品「三十三間堂通し矢物語」。YouTubeにて。

成瀬監督初の時代劇だという。戦争末期の作品だが、空襲などで悠長に映画を観るのも難しかったと思うが。

京都にある寺院、三十三間堂で、伝統的に行われて来た、連続して矢を打つ「通し矢」を題材にした作品。朝6時から翌日の6時までに、119m先の的を射る矢の数を競うもの。

紀州徳川家の大八郎の父は、通し矢の記録を打ち立てたが、後に星野勘左衛門に破られて切腹した。
父の名誉を回復するために、息子・大八郎が修練を積んで、記録樹立に挑むことに。
しかし、彼は気が弱くて、なかなか通し矢に挑む気概を持てないでいる。
ヤケになってた大八郎のところに、ある浪人が来て、彼に弓矢の指導をする。

実は、浪人は、父の記録を破った星野勘左衛門であった。そして、ついに自分の記録を破らせる…。

星野勘左衛門を演じたのは、当時の二枚目スター、長谷川一夫で、大八郎を助けるために、チンピラ浪人たちを口上でやり込めるところなど、ユーモアがあってカッコいい。

女主人役が、お馴染み田中絹代、着物の彼女は堂にいってるから、安心して観てられる。

最後まで、若い大八郎に影となって厳しさを説く長谷川一夫のカッコ良さといったらないね。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。