映画「運動靴と赤い金魚」

妹思いの優しい兄と家の手伝いをよくするカワイイ妹の、ステキなイジらしいイラン映画「運動靴と赤い金魚(Children of Heaven)」(1999年、マジッド・マジディ監督)を観た。

キアロスタミもそうだけど、イランの監督に注目だね。←決まって小津安二郎が好きだ。

イランの貧しい家庭の兄妹。
9歳の兄アリは、破けて修理に出してた妹ザーラの運動靴を、うっかり買い物の帰りになくしてしまう。
怒られるし、買えないから、とりあえず2人でアリの運動靴を共有することに。
まずザーラが、アリのブカブカの運動靴を履いて登校、下校途中で待ち合わせて、今度はアリが履いて登校する。
そんな時に、学校対抗のマラソン大会が行われることに。
3等の商品の一つが運動靴と知って、アリはザーラのために3等になろうと必死に走る…。

なんとも健気で一生懸命なアリだが、父親の給料が安くて靴も買えない他、履いてる運動靴もボロボロ。妹と共に学業よりも家のお手伝いが優先で、父親と自転車で高級住宅街を回って、やっと一軒、庭師の仕事を得る…。

先進国に住む我々には想像できない環境でも、子供たちは子供たちなりに知恵を絞って、自分たちを苦労して育ててる両親に、これ以上の負担をかけまいと奮闘する姿がイジらしい。

イランというお国柄、政治も宗教もいろいろとあるだろうけど、子供だけの目線から、子供だけの世界を作り上げたマジディ監督の手腕に拍手だ。

結局、アリは頑張り過ぎて、マラソン大会で3位じゃなく、優勝してしまうってのもイイよねー。

優勝だったから、運動靴を貰えなかったと落ち込んでたアリだが、給料が出た父親が、アリとザーラの運動靴を買ってくれたのだ。メデタシメデタシ。

しかし、ザーラみたいな小さな女の子も、ヒジャブで髪を隠さなきゃならないなんてなぁ。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。