【洋画】「ロシュフォールの恋人たち」

続けて、ジャック・ドゥミ監督の、1967年の作品「ロシュフォールの恋人たち(Les Demoiselles de Rochefort)」(フランス)を観た。Amazonプライムにて。

ドゥミ監督らしく、鮮やかでカラフルな色彩をベースにした、唄と踊りのフレンチ・ミュージカルだ。

ドゥミ監督の“恋愛至上主義”というべき男女の様は、アメリカのミュージカルとは違って、別れであっても、とても明るくウィットに富んで洒落ている。

昔の恋人を殺してナイフで切り刻んだという事件を起こした老紳士が出て来るが、サラッと流す感じで、全然、陰惨な雰囲気を感じさせない。

そして、全編に渡って、キッチリとしたものではなくて、肩の力が抜けたような、気怠い感じもあるような、良い意味でB級感を残したようなミュージカルは、まさにフランス的なのかもしれない。

俺なんか、ミニスカートの女性がパンツが見えようがお構いなしに踊るところに目を奪われる(笑)。

23歳のカトリーヌ・ドヌーブと、ドヌーヴの実のお姉さん、24歳のフランソワーズ・ドルレアックを中心に、「ウエスト・サイド物語」でベルナルドを演じたジョージ・チャキリス、ジーン・ケリーなど、アメリカの俳優も交えた豪華な俳優陣である。ドヌーヴのお姉さんはこの後、交通事故で亡くなったから遺作となってしまった。

南仏の海辺の町ロシュフォールで開かれる、年に一度のお祭りの日に向けて、双子の姉妹ソランジュとデルフィーヌを中心に、彼女たちの母親が営むカフェにおいて、それぞれの男女が理想となる恋人との出会いを求めて繰り広げる恋愛模様。

実は、“夢見てた理想の恋人はすぐ近くにいた、中々気付けなかった”ということで、観る者に徹底的に幸せを届けるようなドゥミ監督の姿勢は、悲惨な現実を描こうとも、世の中は思った通りに動かなくとも、人間だったら、やっぱり恋愛をして、夢を見ようと訴えているようだった。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。