【映画】「ロマン・ポランスキー 初めての告白」

「ロマン・ポランスキー 初めての告白(Roman Polanski: A Film Memoir)」(2012・伊英独合作、ローラン・ブーズロー監督)。

ロマン・ポランスキー監督のファン向けのフィルムだろうけど、大好きな映画監督の1人なので、とても興味深く観れた90分だった。

ポランスキーの長年の友人であるアンドリュー・ブラウンズバーグ氏が、対面でロング・インタビューする形式で、ポランスキー自身が自分の言葉で生い立ちから現在に至るまでを語る。

ユダヤ人であるポランスキーの幼少期と言えば、ナチス支配下のポーランドでゲットー(ユダヤ人収容地区)に収容された体験。

彼の映画には、やっぱり幼少期の体験が影を落としてる一面があると思うが、トコトン追い詰められて、ドン底に落ちて、ついに転々と逃亡を繰り返すという流れが多い。私生活も。

ポランスキーは現在までに3回結婚してるが、彼自身は身長の低い小男なのに、奥さんは皆、スタイルの良いめっちゃ美人で、まったく羨ましい限りだけど、悲劇なのは、やっぱり女優シャロン・テートだ。彼の子を身ごもって妊娠8ヶ月だったのに、マンソン・ファミリーに虐殺されたのだ。言葉少なに「今までの人生で最悪のドン底だった」と回想している。

1977年には、当時13歳の子役モデルにアナルセックスを強要したとして逮捕。保釈中に逃亡を図って出廷を拒否、イギリスへ国外脱出した。

その後も、数人の女優らに性的虐待を告発されている。

2009年には国外脱出に関連して、スイス司法当局に身柄を拘束され、2010年に保釈されている。

ったく、映画監督としては波乱万丈の人生だと思うが、インタビューに答えるポランスキーは80も後半になるけど、ナマリ英語ながらもしっかりと答えており、いかんせん若く見える。彼は俺と同じ、きっとロリコンなんだろうな。だから若いのか(笑)。

老境に入ってやっと、「今の妻と子供達と静かに普通の生活を送りたい」とニヤついて好々爺みたいなことを言ってる。墓場まで持って行きたい映画は「戦場のピアニスト」だという。

疎外されて追い詰められた人間がひたすら逃亡を繰り返す…私生活を見てもわかるように、ポランスキーは自分の体験をも映画に盛り込むことを得意とする。そんなポランスキーの映画はとてもスリリングで示唆に富むと思う。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。