【洋画】「フル・モンティ」

1997年のコメディ映画「フル・モンティ(The Full Monty)」(英・米、ピーター・カッタネオ監督)。フル・モンティってのは全裸のスラング。

パンクが生まれるイギリスの労働者クラスらしいストーリー。

かつて鉄鋼業で栄えたシェフィールドを舞台に、工場は閉鎖で解雇、失業中のダメな、しがない中年男6人が、男性ストリッパーの興行に女性客が満員と知って、彼らも一攫千金を狙って、さらに過激な全裸のストリップショーを企画して出演するまでの話だ。

中心人物のガズ(ロバート・カーライル)は、一人息子を抱えて失業中の身。愛する息子も、妻とその新しい恋人に取られようとしている。まとまった養育費を払うために、ストリップショーに加熱する女性を見て、「これだ!」と決意したわけだが、簡単なオーディションで集まった男達は、ホントに誰も使えねえようなダメ連中ばかり。

皆、仕事がないのをはじめ、妻との関係、ジェンダーと同性愛、人種問題と冗談を言い合いながらも、シリアスな問題を抱えてるのだ。

同じダメ中年男だけに親しみが持てる(笑)。まさに中年の危機だなぁ。

カッコつけずに、今のありのままを素直に出そうということで全裸を決めた(というか成り行き)のだが、全然、マッチョのカッコいいストリッパーじゃなくて、太ったのはいるし、腹は出てるし、ほとんどがダラシのないカラダ(1人、イチモツがデカいのはいるけど)。

女性客(男も混じってたけど)は、近所の親しみあるオッサンが、全てを曝け出したからこそ、彼らのストリップに熱狂することになったのである。

ダメな中年男達がダメなりに頑張ったという人情喜劇だな。全てがだらしなくて全然完璧じゃないところがイイね。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。