【映画】「キューブ」

1997年のカナダ産映画「キューブ(Cube)」(ヴィンチェンゾ・ナタリ監督)。

ルービックキューブみたいな、たくさんの立方体の箱でできた迷宮に、突然放り込まれたらしい6人の男女の脱出劇という単純なストーリーだが、コレは目が離せないメッチャ傑作だと思う。

男女が放り込まれた立方体の箱には、入り口、出口の扉が設けてあるけど、数々の罠が仕掛けられ、何の気なしに入ってしまうと罠が作動して死に至る場合もある。

6人の男女は目覚めると、囚人服のようなものを着せられて、立方体の箱の中にいたのであって、誰が何の目的で、どういう理由で閉じ込められたのかは、最後まで全くわからない。

舞台も設定も登場人物も限られてる低予算の映画だけど、迷路を探るように罠を見抜いて箱を移動して脱出を試みるとともに、6人の人間関係も破綻をきたしたりして、最後まで目が離せない張り詰めたハンパない緊張感が続く。コレはカルト・ムーヴィーだろう。

数学科の女子学生が、入り口、出口にはめ込まれた数字の羅列のプレートを発見、それが素数だったり、デカルト座標だったり、因数だったりすることから、罠があるかないか、今いる立方体の箱はどの位置にあるか等を推理する。

数学の難問を解いていくようで、数学がメッチャ苦手だった俺にはチンプンカンプンの????だったけど、閉じ込められた迷宮自体が数学的証明の可能な理路整然としたものであることは理解した。

結局、最後まで全ての謎が解けることはないけど、こんなアイデアを考え付いて、完成度の高い映画に仕立て上げるなんて、トンデモなく素晴らしいね。

ふとカフカの「城」(日本だったら安部公房)を思ったけど、とりあえず証明は可能みたいだから、ちょっと違うか。

6人の人間関係も興味深い。
警察官である肉体派黒人男性がリーダーとなって徐々に横暴になり、精神科医の中年女性が博愛主義的観点からそれに反発。
パニックになってた女子学生が数学で謎を解いてからヤル気を出したり、無気力な男が足を引っ張ったり、途中で見つけた知能に障害があると見られた男が実は数学的な能力に秀でてたり(多分、サヴァン症候群)。
いろいろあって最後は殺人にまで発展…。

無機質ながらもフツー誰も思いつかないだろうアイデアで、いろいろと謎解きもありそうだ。

正式な続編も観たいなぁ。

画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

画像7

画像8

画像9

画像10


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。