【古典映画】「虎の尾を踏む男達」
黒澤明監督の、1952(昭和27)年公開(製作は1945年)の第3作目で初の時代劇映画「虎の尾を踏む男達」。1時間弱の小品。
源頼朝とケンカして逃げる弟の義経らが、弁慶を先頭に山伏の姿に仮装して関所を通り抜けようとする話。歌舞伎にある有名な話をベースにしてる。
当時のコメディアン、榎本健一(エノケン)が、義経一行を案内する、麓の村で雇った男を演じており、おしゃべりでちょこまか動く小猿のような様子が面白くて、この映画を喜劇仕立てにしている。
大河内伝次郎演じる寡黙で落ち着いた弁慶が、関所で役人と丁々発止の台詞の応酬を展開する様子との対比が良い演出となって功を奏してると思う。
で、古い材料の古い映画であるが、意外と楽しめた。
弁慶の台詞が能か歌舞伎みたいでわかりにくいから、字幕が付いててよかった。
エッヘヘヘと腰を曲げて手をスリスリしながら、余計におしゃべりするエノケンの狂言回しが素晴らしいね。顔はホントに猿だし。どこか悲壮感も感じるけど。
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。