「抵抗」

57年のモノクロ作品「抵抗(レジスタンス)〜死刑囚の手記より〜」。ロベール・ブレッソン脚本・監督。

仏軍人のフォンテーヌ中尉がナチス・ゲシュタポに捕えられ監獄入り、死刑の判決を受けるも、なんとか脱獄するまでを描く。

特別なBGMもなく、大きな引きの絵もなく、ナチスとの派手な争いもなく、ただ淡々と近くから手元を中心に人間を撮っているが、それこそ追い詰められた心理がよくわかろうというものだ。

食器のスプーンや布を使って、少しづつ脱獄の準備をして、朝の洗面所で密かに連絡を取り合う。中尉の脱獄にかける熱意と強い意志は徐々に仲間の収容者を協力者に変えていく。後に同室となった脱走兵の少年と一緒に決行し、成功したところで映画は唐突に終わる。

全編、最初から最後まで緊迫感がハンパないけど、なんか演者を観察・記録してるような感じだ。そういう意味ではレジスタンス映画なのかもしれない。

俺は言い知れぬ不安に抗うカフカの文学を思い描いた。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。