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「火事教育」寺田寅彦随筆集 第四巻より

その日は何故、寺田寅彦随筆集第四巻だったかは覚えていない、何故「火事教育」だったかも覚えていない。
僕は何かをもて余した時に寺田寅彦の随筆を捲る癖の様な習慣が知らぬまについてしまった、その日はたまたま寺田寅彦随筆集第四巻だったわけだ。

旧臘押し詰まっての白木屋の火事は日本の火災史にちょっと類例のない新記録を残した。

寺田寅彦随筆集第四巻 火事教育より

この「火事教育」は東京消防庁のホームページでも使われている。

東京消防庁のホームページによると
「火災による死者が1人、墜落による死者が13人、傷者が67人という惨事となりました。
」墜落による死者が13人…と記されている。

 この頃の女性は下履きを履く習慣がまだ定着していなかったそうだ、ロープで脱出しようとした女性が裾が捲れるのを気にしたため、片手を離し墜落したと書かれている。
この火災を機に女性が下履きを履く習慣が定着したとホームページに記してある。…

 こんな災害が生活習慣が変化するのだと感心した。(最近の流行り病でも生活習慣は変容したが…)

寺田寅彦の文章の中では、野次馬が5階から飛び降りるように激励したとも…ひどい話だ。

そんな凄惨な白木屋火災の話の後にロシアの絵本の話に移る、寅彦が銀座伊東屋で見つけた「火事」と云うタイトルの絵本、この絵本を寅彦はたいそう気に入った様で大絶賛だ、そんな寅彦お気に入りの絵本だが、タイトルは「火事」とあるが作者名は書いていない。

第一ページの文句だけを紹介する。発音は自己流でいいかげんのものであるが、およその体裁だけはわかるであろう。



フ、プロースチャデイ、バザールノイ
ナ、カランチェー、パジャールノイ
クルーグルイ、スートキ
ダゾールヌイ、ウ、ブードキ
スマトリート、ワクルーグ
  ナ、シェビェール
  ナ、ユーグ
  ナ、ザーパド
  ナ、ウォストク
ニェ、ウィディエイ、リ、ドゥイモーク、

右の訳。これもいいかげんである。

市場の辻の
消防屯所
夜でも昼でも
火の見で見張り
ぐるぐる見回る
  北は………
  南は………
  西は………
  東は………
どっかに煙はさて見えないか。

寺田寅彦「火事教育」青空文庫より

リズムカルな訳詞を読むと…ロシアの子供たちの歌声が聞こえてくるようで…
どうしても、気になりネットで調べてみた。

寺田寅彦研究者や寺田寅彦ファンにとって、「今更云うなよ」の周知の事実だろうとも思ったが、僕なりにそうではないか?と思いポストしてみた。
また、常日頃から僕のX投稿のお相手?先生?で寺田寅彦の研究者でもある、物理学随筆雑誌の代表の窮理舎さんの反応を期待する投稿でもあった。

期待通り、窮理舎さんがポストを読んでくれた…
しかし、想像と逆の反応だった…

とりあえず、今月あった僕の大事件を少し綴ってみました…
多分もう少し…そのうち追記します…




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