旧約聖書創世記「ソドムとゴモラ」の話
先日、NHK「フロンティアで会いましょう!」という番組を見ました。旧約聖書の話だったのですが、非常に興味深い内容だったので備忘録的に感想を書いておこうと思います。
どんな内容だったかというと、「旧約聖書創世記に書かれている『ソドムとゴモラ』の話は事実だったのではないか」という仮説を検証している研究者の話でした。旧約聖書創世記「ソドムとゴモラ」、ご存知ですか?非常に有名ですが、私は読んだことがなかったので調べてみたところ、Wikipediaが教えてくれました。
「人々が淫らな行為に耽り、欲にまみれた街が神の怒りに触れ、滅ぼされた。」と書かれているそうです。
で、このソドムという都市が、旧約聖書には①死海の近くにある②紀元前3000年~1700年の間に栄えた、と書かれていることから、この条件に該当する場所、ヨルダンとイスラエルの間にある死海の北東に位置するタル・エル・ハマム遺跡がソドムなのではないか、と、この遺跡を調査している3人の研究者を紹介していました。この方達の研究でわかったことは、紀元前3000年~1700年まで栄えたタル・エル・ハマムが紀元前1700年頃に何らかの災害に遭い、滅亡したこと。しかも、たった一度の非常に強力な一撃で都市すべてが破壊されたということ、でした。その強力な一撃は、火山噴火、地震、洪水、その他のあらゆる種類の破壊ではないものだというのです。では何だったのか、ということを研究されているのですが、ヒントになったものの一つが土器の破片。発見された土器の表面がガラスのようになっていて、2000度以上の高温で溶け、固まったものだったそうです。しかし、紀元前1700年頃にこれほどの高温を出せるものはないはず。そこでもう一つのヒントになったのが、2013年2月にロシアのチェリャビンスクで起きた隕石の落下です。隕石の温度は5000~6000度に達することもあるそうで、それなら土器の破片が2000度以上の高温にさらされたことにも説明がつきます。しかし、隕石が落ちたところはクレーターになりますが、タル・エル・ハマム遺跡にはそれがありません。そこで考えられたのが「エアバースト仮説」。エアバーストとは、隕石などの小天体が大気の圧力に耐えきれず空中で大爆発する現象で、これならクレーターは残りません。その後、研究グループはエアバースト仮説の証拠を発見し、2021年9月「ネイチャー・サイエンティフィック・リポーツ」誌に論文を発表。世界的な評価を得たそうです。
以前、こんな話を聞いたことがあります。「地球には意志がある」。地球には意志があり、二酸化炭素濃度が1000PPMを超えると、地球が壊れずに表面の生物だけを駆逐できる絶妙な大きさの隕石を呼び寄せて地表に落とすのだそうです。ちょっと、うろ覚えですが💦 この説の真偽はわかりませんが、何となく旧約聖書と通じるところがあるように感じます。隕石は太陽をめぐる小惑星で、3万個以上が地球とぶつかる可能性がある軌道に乗っているそう。それを考えると、ちょっと怖い話かも・・・。
現在の地球の二酸化炭素濃度は気象庁のデータで約430PPM。気象庁HPで確認することが出来ますが、年々上がり続けています。今のペースでいくと、今世紀末に1000PPMを超えるのではないかと推測されているそう。しかし、もっと速いスピードで上がってしまうような気もします。もし本当に地球に意志があるのなら、今の人類をどう感じているでしょうか。
2013年2月にロシアのチェリャビンスクで起きた隕石の落下は有名ですが、それ以外にも、近年隕石の落下は世界各地で確認されています。日本でも何度か「火球」が話題になりましたよね。今年9月29日からは地球に第2の月が誕生すると言われ、アルジュナ小惑星帯からやってくる小惑星が57日間地球の周りをU字形に回るのだそうです。Business Insider Japanの記事には「地球が小惑星帯から第2の月を引き寄せようとしている」と書かれていました。これ、もしかしたら地球が「そろそろ駆除するかなぁ」なんて考えているのかも・・・。
また、二酸化炭素といえば「地球温暖化」。2007年2月に国際的な専門家でつくる地球温暖化についての政府間機構、Intergovernmental Panel on Climate Change 略称:IPCCが、近年における地球温暖化の原因は間違いなく人類によるものだと断定しています。この文書も気象庁のHPで読むことが出来るので少しだけ読んでみたところ、地球温暖化の原因が人類によるものだと断定する根拠となったデータがたくさん記されていました。「地球温暖化はウソだ」という説があることは重々承知していますが、近年の異常な暑さから、私は温暖化は人類のせいなのではないかと考えています。北極圏では世界の2倍の速度で温暖化が進んでいるそうですが、2023年9月にはグリーンランドで氷河の融解から地滑りがおき、その衝撃で地球全体が9日間揺れ続けたそうです(※調査結果は「サイエンス」に掲載されたそう)。また、北極圏だけでなく、ネパールでは2024年8月に氷河湖が決壊し、下流の村の大半が濁流に飲み込まれました。ヒマラヤの氷河の急激な融解が原因とみられていて、ネパール、ブータン、バングラデシュ、インドなど広範囲に被害が及ぶ危険性があるそうです。パキスタンでは国土の1/3が水没したり、世界中で森林火災が多発したり。こういった例を出すまでもなく、今年の日本の夏の暑さを異常と感じた人は多いのではないでしょうか。こんな状況が続けば、隕石の落下の前に、地球は人類が住める環境ではなくなってしまうかもしれませんね。科学者の方達が同じ事を仰っているのを何度か目にしたことがあります。それは「地球を救うなんておこがましい。温暖化対策は地球のためではなく人類存続のためだ。」という言葉です。確かにそうだなぁと思います。人類が地球に住み続けさせてもらうには、人類がなんとかするしかありません。では人間に何が出来るのか、いろんな取り組みはされていますが、個人にできることはそれほど多くない気がします。でも、その小さな取り組みを多くの人が続けることが大事なのだろうとも思うのです。
11月20日の日経新聞で「トランプ時代のESG投資2.0」という記事を読みました。「ESG投資」とは、環境問題、社会貢献、従業員への配慮などに取り組んでいる企業に投資することをいいますが、アメリカでは今やESG投資は風前の灯火なんだそうです。バイデン政権下で進んだ政策であり、大統領が替われば消えてしまうかもしれない、と危惧されているとのこと。しかし、実はそうでもないという記事でした。大変希望の持てる記事だったので、興味のある方は是非読んでみて下さい。たぶん、図書館で読めると思います。で、その内容ですが、10月にサウジアラビアで行われた国際会議(総出席者数8500人)で「脱炭素」や「持続可能性」が関心を集めたそうです。「これまでは商品名に「ESG」と付けただけの投資信託だったり、曖昧なESGだったが、これからは本当のESG(Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス))を企業評価やリスク管理、利益予想に活かす流れが広がるだろう」といったことが書かれていました。こうした取り組みが金銭的なリターンを生むのであれば、温暖化対策も進むかもしれません。そう期待したいです。