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インガ・サンガ

インガ・サンガは、因果について探究する学びの共同体です。因果について疑問や好奇心を抱いた人たちが集い、初歩の初歩から奥の奥までを、一緒に学んでいきます。このマガジンでは、そこで得…
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記事一覧

インガ・アーカイブ 〜その12〜 ライブ配信動画(#20, #21)

7・8月に行われたインガ・サンガのライブ配信レポートをお届けいたします。 ライブ配信#20ライブ配信記念すべき20回目は原点回帰、「インガ律」。 今回は、アメリカの分析哲学者デイヴィッド・ルイスが体系化させた、「可能世界論」から、因果関係について考えました。  ライブ配信#20のポイントは、「様相」。私達の歴史や現実は一つしかありませんが、それ以外の可能性やすべてを包含する必然性も含む理論として「様相」を考える論理学を切り開いたのがデイヴィッド・ルイスです。 この「様相」

インガ・アーカイブ 〜その11〜  ライブ配信動画(#18, #19)

6・7月に行われた2回のインガ・サンガのライブ配信レポートをお届けします。 ライブ配信#18 第18回は、「#量子の空間」の後半をお届けしました。この回では、「時間が逆戻りする世界でありたい」というモチベーションから、いわゆる「時間の矢」≒因果律に立ち向かう、という設定・立場から臨んでいます。天使=熱力学者たちと「マクスウェルの悪魔」とのエントロピーをめぐる聖戦の見立てでレクチャーは進み、最新の量子コンピューターまで話題は及びました。さて、その結末やいかに、、、。 ライブ

インガ・アーカイブ 〜その10〜  ライブ配信動画(#16, #17)

5月に行われた2回のインガ・サンガのライブ配信レポートをお届けします。 ライブ配信#16 第16回はインガ・マンダラの「#量子の空間」の前半です。ついに、インガ・マンダラのすべてのテーマを一度扱うことができました!今回は、ニュートン力学と、相対性理論や量子論に代表される現代物理学が、どのように思想的に違うのか、を中心に木村が話題提供しました。数式は出てこないけど、思想的に難しい。そんな量子世界の入り口に立てたでしょうか。 ライブ配信#17 第17回は「#縁起の世界」の後半

インガ・アーカイブ 〜その9〜 ライブ配信動画(#14, #15)

4月に行われた2回のインガ・サンガのライブ配信レポートをお届けします。 ライブ配信#14 第14回はいつもと異なり、ある1つのテーマを巡って2つのインガ・マンダラから議論するスペシャル回でした。そのテーマは「リスク」です。天変地異や感染症の大流行など、様々なリスクと対峙する現代社会。このテーマに対して、山ちゃんは「#人を動かす 」から、ぼくは「#社会を動かす」から話題を提供しました。 ライブ配信#15 第15回は、ついに(?)「#縁起の世界」です!山ちゃんから、仏教の成り

インガ・アーカイブ 〜その8〜 ライブ配信動画(#12, #13)

3月に行われた2回のインガ・サンガのライブ配信のレポートをお届けします。 ライブ配信#12第12回は、「#人を動かす」の2回目でした。中心となる問いは3つ、①私たち「合理的」か?、②ナッジとリバタリアン・パターナリズム、③私たちは自由でありえるのか?です。この問いに対して、主に行動経済学の知見をレビューしながら、2人でおしゃべりしました。とくに、改めてナッジがこの数年話題になっていますので、具体的な事例も含めて話しています。 ライブ配信#13 第13回は、「#社会を動かす

インガ・アーカイブ 〜その7〜ライブ配信動画(#10/#11)

2月に行われたインガ・サンガのライブ配信のレポートをお届けいたします! 2月のインガ・サンガはインガ・マンダラの2段目。「人を動かす」そして「社会を動かす」のテーマについてお話しました。 「社会のモデル」と「心のモデル」からより実践系へと発展していく2つのテーマですが、「人を動かす」にも「社会を動かす」にもどちらも不可分であり、「人はどのように動くのか」という同じポイントを、2つの側面・観点から捉えるようなライブ配信となりました。

インガ・アーカイブ 〜その6〜 ライブ配信動画(#09)

1月に行われたインガ・サンガのライブ配信のレポートをお届けします。 ライブ配信#09 1月のライブ配信は新年スペシャル回(⁉)ということで、「#SFの時間」をテーマにして、昨年話題になったSF映画『TENET』をお題に2人でトークしました。『TENET』は、『バットマン』シリーズや『インターステラー』で有名なクリストファー・ノーラン監督の新作です。 ノーランもインタビューで答えているようですが、この映画は「時間SF ✕ スパイアクション」といった感じの映画で、私たちインガ

心の中にあるふたつの「わたし」 その1 (#心のモデル_01)

インガ・サンガ、インガ・マンダラの右上に位置するのは「心のモデル」です。 主に「因果関係」を心理学の観点から考える「心のモデル」第一回は、心に関する研究の歴史を、ふたつの「わたし」から考えます。

インガ・アーカイブ 〜その5〜 ライブ配信動画(#07, #08)

12月に行われた2回のインガ・サンガのライブ配信のレポートをお届けします。 ライブ配信#07第7回は、ぼくのほうから「#社会のモデル」の2回目となるお題を提供しました。内容は「適合的因果の方法」と題して、ヨハネス・フォン・クリースという19世紀後半のドイツを代表する統計学者の考えかたを紹介しました。ちなみにクリースのは、マックス・ウェーバーに影響を与えたことで知られています。彼の「適合的因果の方法」には、新しくて確かな「社会のモデル」をいかにつくっていくか、そのためのヒント

インガ・アーカイブ 〜その4〜 ライブ配信動画(特別編, #06)

11月に行われた2回のインガ・サンガのライブレポートをさせていただきます!11月は特別編と、心のモデルの第1回を放送いたしました! なりきりインガ・サンガ 今までのインガ・サンガをふりかえり、渋谷区の駐車場で行われた「なりきりフェス」にて、「なりきりインガ・サンガ」と題して、今まで登場した人物を、時系列にマッピングしていきながら、お話をしました。 こんな、駐車場の奥まったところで、怪しい雰囲気を醸し出しつつ、 インガ・サンガの「#インガ律」「#数理のモデル」「#社会のモデ

新しくて確かな発見へ(#インガ律_02)

前回のインガ律では「科学とは何か」というそもそもの問いに始まり、インガ・サンガが参考にする科学哲学の態度を取り上げました。それは、科学哲学を「”もう始まっている科学”の方法を確かめる」ためのとして捉える態度で、それをカーレースにおける「ピットイン」に見立てて説明しました。 では、科学哲学にピットインしたとして、何を点検・整備すればよいのでしょうか?インガ律ではしばらく、自分たちが取り組んでいる探究・研究を点検したり整備するためのヒントを扱っていきます。 今回取り挙げるのは

インガ・アーカイブ 〜その3〜ライブ配信動画(#04,#05)

10月に行われた2回のインガ・サンガのライブ配信のレポートをお届けします。 ライブ配信#44回目のテーマは、山崎さんのほうから「#数理のモデル」の2回目のお題提供をしてもらい、トークを展開しました。タイトルをつけるとしたら、「人物から振り返る数理のモデル」がふさわしいでしょうか。統計につながる因果の探究をしてきた哲学者・研究者を中心に、これまでどのような考え方が提案されてきたのかを振り返りました。奇しくもこの日は今年のノーベル経済学賞の受賞者が発表される日でしたが、トークで

まずは、「数えあげ」ありき。(#数理のモデル_01)

インガ・サンガ2つ目のテーマは「#数理のモデル」です。前回の#インガ律で取り上げられた推論形式「演繹・デダクション」「帰納・インダクション」の話から出てきた「アブダクション」を軸にして、統計学の考え方を展開していきます。 1. 統計学はアブダクションである

インガ・アーカイブ 〜その2〜ライブ配信動画(#02,#03)

先月になりますが、インガ・サンガでは2回のライブ配信を行いました! ライブ配信#2ライブ配信#2では、山崎さんからインガ・マンダラの「#数理のモデル」のお題を提供してもらいトークを展開しました。「統計学とはなんぞや」というところから、「数理のモデル」の基本となる考え方などの話題を交わしました。 ライブ配信#3ライブ配信#3では、ぼくのほうから「#インガ律」の話題を提供してトークを行いました。今回のテーマは「理論とモデル」です。「理論についての意味論的捉え方」という立場を中