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剣道にコーディネーショントレーニングを活かすために


オランダの子ども達を対象に1週間に1度行なっているオンラインのレッスンでは、ただトレーニングを行うのではなく


「そのトレーニングが剣道の実践のどの場面で役に立つのか」


ということを、皆さんに考えてもらいながら取り組んでいます


日本では、幼少期から道場に通って道場の先生から剣道の知識や技術を学び、中学校からは部活動で剣道部に入部し、顧問の先生から指導を受けながら日々の稽古に励んできた人がほとんどだと思います


今この記事を読んでくださっているあなたもそうではないでしょうか


その、毎日の稽古を行う中で


「この練習は何のためにやっているんだ?」


「この練習をすると、何が上達するんだ?」


と思った経験はありませんか?


剣道は複雑な動作を必要とするが故、その動きを身体で覚えていくには基礎動作の反復練習を行うことが必要となるのです


そして、その反復練習の ”スタイル” に学校や道場ごとの個性が現れます


反復練習を毎日続けていくことで動きを身体に覚え込ませることができます


しかしながら、時に指導を受けている子ども達は、理由も分からず練習をこなしているという、「受動的な取り組み」になってしまう場合があります


身体で覚えることは非常に大切ですし、指導されている先生方は、試合で起こりうる様々な場面を想定し、その場面に対応出来るための能力を身につけさせようと、考え抜いた末に出来上がった稽古方法であることは間違いありません


しかしながら、教わる方の


「練習の趣旨を理解している」

「自分動きのイメージに落とし込みやすい」


という ”受け取る感覚” も同時に強化していかなければ、同じ稽古を行うにしても、教わる側の知識や技術の身につき方に差がでると思います


指導する際には練習内容は同じでも、個人に「目的意識」を持たせ「自分に合った技術レベルに変換させる」ということができるように、指導者は導いてあげなければいけません


オランダの子ども達は、剣道のレベルとしてはまだまだ発展途上です


ですが、コーディネーショントレーニングを行う際も、素振りを行う際も「どういう部分を上達させたいか」「このトレーニングがどんな動きに活かされるのか」ということを考えながら、楽しそうに実践してくれています



私も、そこの目的意識と成功体験の積み重ねを感じてもらえるように注意しながらプログラムおよび説明を行なっています


よく自分のチームを持って強化していく中で、結果を残すことが最優先事項となってしまう指導者の方もおられると思います。そのような方にひとつ私にとって大切な言葉を紹介させてください


「勝っても負けても良い、勝てばなお良い」


私が幼い頃道場の先生に教えていただいた、頑張る原動力になった言葉です。 ”ゆっくりで良いから結果にこだわり過ぎず自分のペースで強くなるために色々考えなさい” という思いが込められています


「昇級・昇段する」


「試合で良い結果につながるように頑張る!」



このように、目標を持つことで日々辛く激しい稽古でも頑張ることができます


しかし、そこを目指しすぎるがために、人としての視野が狭くなってしまうことも往々にしてあります


大きな目標を持つことと同じくらい、またはそれ以上に「剣道の魅力を伝える(伝承する)ことのできる人間」になってもらうことが剣道界の更なる発展につながっていくのではないでしょうか


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私たちは、この気持ちを忘れずに、剣道を頑張ろうとする子ども達や皆さんの力になれるように今後も取り組んでいきたいと思います



それではまた次回!



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