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【ポッドキャスト#21 】 ロングスロー議論。デラップを覚えてますか?


Wow Momentという言葉がある。 (読み方:ワオ モメント)

オォ!と、ひとつのプレーで観衆が湧く瞬間が突然とやってくる。そういう時に英語でWow momentという。毎試合じゃないかもしれないが、そういう瞬間を作れる選手がいる。

テレビでスポーツの試合を見ているとなかなか観衆の熱みたいな伝わりにくい。けれど、スタジアムで観戦していると、どよめきやためいきのような空気みたいなもの感が存在していて、そんな空気の種類のひとつに、ワォモメントがある。

Jリーグ、大学生、小学生の試合でもそれは見つけることはできる。想像を超えてくるプレーというのはどのレベルにもあっていい。

豪快なゴールが決まればもちろん観客が湧くけれど、ひとつのタックル、スルーパス、ヘディングなど想像を超えたプレーを体感すると見ている人は、おお!と口が空いてしまう瞬間がある。

長所を出し切ることができるか?言い換えれば自分の武器を持ちあわせていて、それを本番で発揮できる度胸が備わっている必要がある。

そういう意味では、青森山田のスローインを投げ続けていた内田くんはワオモメントを持っていた。普通の人には真似できないことを、大舞台でやってのけていたのが素晴らしい。

自分の力を発見する。発見するだけではなくてそれを伸ばしていく必要がある。そして、それをどこで発揮できるのか?

プレミアリーグという入れ替わりが激しいリーグで選手個人として生き残っていくためにはなにが必要ですか?とQPRのレジェンドに尋ねたことがある。カメレオンになること(適応能力)と、武器をもっているかどうかであると教えてくれた。

「選手とコーチには長所を伸ばすことを常に意識させている。自分の長所を自己評価軸とコーチからの評価軸で、星3つで採点している。コーチは選手のあら探しをしがちであるが、トレーニングとゲームで選手の長所を伸ばせと繰り返している。総合点で評価する必要はないと考えている。世界的なスーパースター見て欲しい。メッシ、ディバラ、ダビド・シウバ、左利きで背が小さい。しかも片方の足しか使っていない。」

自分でいいと思っているところ、人もいいと思っているところ、そこを伸ばしていくことが武器となると教えてくれた。

誰かを評価するとき、粗探しから入ってしまいがちである。弱点を克服することばかりやっていたらデラップのロングスローは生まれていなかったかもしれない。彼の長所を見抜いた人もいたということだろう。

 というわけで、今週の導入部分です。
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INTRO
"Like a human sling," said David Moyes. "The best Scud missile I have ever seen," added Sam Allardyce, a heavy hint of jealousy in his voice. For Luiz Felipe Scolari, it was more difficult to describe. "I have never seen anything like this in my life," said the newly-arrived Chelsea boss.

Scolari was not the only one left dumbfounded by Rory Delap's long throws when Stoke City shoulder-barged their way into the Premier League in 2008. Arsene Wenger, whose Arsenal side became regular victims, went as far as trying to get the rules changed. "It is a little bit of an unfair advantage," he said after a bruising 2-1 loss at the Britannia Stadium.

For a period, it seemed almost impossible to stop them.

The long throw was not a new concept. In fact, it felt like something of a throwback. But Delap, a javelin thrower in his youth, had the unique ability to combine distance and accuracy with a wickedly flat trajectory.

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ロングスローといえばデラップ、デラップといえばロングスロー。多くのサッカーファンが聞いたことがある名前でしょう。

当時、彼のロングスローを人間発射台とモイーズが表現し、アラダイスはこれまでに見たことがない弾道と評していました。

当時、チェルシーを率いていたフェリペスコラーリは、これまでのサッカー人生で見たことがなくそれを表現することが難しいとコメントを残していました。2008年は、プレミアリーグ内においても、かなりの脅威で、多くのチームが彼のロングスローを警戒していました。

彼のロングスローは、学生時代に槍投げのチャンピオンに輝いたことがあるという経歴にも起因しており、そのスローの犠牲者となったアーセナルのアーセン・ヴェンゲル監督が、スローインの不公平を主張して、スローインを廃止してキックインを採用することを提唱しました。

速く直線的なボールを確実にゴール前に送り込むデラップのスローは対戦相手にとって大きな脅威となり、直接的・間接的を含めて多くのゴールがその形から生み出された。

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