私にとって、カメラとは
マイクロフォーサーズのミラーレスカメラに出会ってたぶん10年近く。最初はメルカリで買ったオリンパスのE-PL2だった。
元々買い物依存気味なところがあって、ポチってアドレナリンをドバドバ出したらそれで満足なところがある。
以来、中古品を買ってウキウキで試してはすぐ飽き、またフリマアプリやヤフオクで売ることを繰り返すこと幾度となく。
いま手元にはPanasonicのGF10とG99D、そしてレンズ4本がある。
「ファインダー付きを確保しておきたい」とか「評判のレンズだから試してみたい」みたいな後付な理由は言わずもがなだけど、恐らくカメラやレンズを買う理由として「必ずキレイな写真を撮らねばならない」と、無意識に自分を縛り付けていた気がしている。
良くある写真の指南書は、ボケやら構図やら良くも悪くも教科書的ではある。
撮りたい写真があって、その撮り方を学ぶのならこうした本はいいかも知れないけど、注意しなければならないのは「そこに自分が撮りたい写真があるとは限らない」ことだ。
「指南書より、たくさんの良い写真が載った写真集を見なさい。その中で自分が撮りたいと思う写真を見つけるのが先。」みたいな意見を見かけたことがあるけど、まさにそれで。
私の場合、こんな具合だ。
明るいレンズでボケにボカした写真やポートレートはあまり興味がないことは自覚していた
動物とくに競走馬が好きなんだけど、動物園や競馬場まで行く気力はない。
野鳥撮影は興味があるが、大砲レンズを買うほどではない。
橋脚などの構造物や廃墟は好きだけどわざわざ行かない。
…ここまで書いてフットワークが悪いのが一因みたいなところ、かなりあるなと。
まぁそれでも、「カメラ買ったらフットワーク軽くなくちゃだめ」なこともない。
身の回りで探せばええやん?と思った瞬間、なんか撮りたい写真ってのが何となく見えてきた気がする。
小さな川によくいるサギ。
電線に止まっている「スズメ」。
圧縮効果を活かして街の道路。
苔むす小さな神社。
道ばたの小さな花をアップで。
私にとってのカメラとは。
たぶん「普段の目線で見えない物を捉える機械」なのだと気がついた。
ボカしたり、長時間露光使ったりして見えているものをアーティスティックに撮ることにはあまり興味がないらしくて。
まぁ廃墟とか、夜の街とかを情緒たっぷりに撮るのは興味があるけど、基本インドアなのでそれほど足繁く通えるほど身近ではない。
だとしたらもう徒歩範囲のものを撮るしかなく。
それでも、目線を変えるだけで随分違う世界が見られるのもまたカメラ。
先ほど、カッコ書きで「スズメ」としたのは、実は表題の写真にもいるメスのモズだった。
撮ったときはスズメだとばかり思って試し撮り位の感覚で撮ったもの。
あとから拡大してみたら、モズだとわかり。
「あぁ、これが私がカメラでしたいことかもしれない」と感じた。
身近にいたスズメとばかり思っていた鳥が全然違ってた。
レンズを向けて写真を撮って見返さなければわからなかった。
スマホであれば、拡大しても荒れてしまってわからなかったかもしれない。
間違いなくそこにある、そこにいる
とても美しいもの。
なのに気が付かない。
そういうものなら、わざわざ遠くへ行かなくたって撮れるんじゃないか。
日常に非日常を見る。
そこにとても興味が湧いてきた。
仮説を確信に変えるため、もうしばらく試していきたいと思っている。
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