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医療と安全

これは、永遠のテーマである。

医療現場で働かない人でも
そんなん、当たり前やん。
と思うかもしれない。

しかし、このテーマを
改めて考える立場になったとき

これどうしたらいいん?
なんで、こんなにめんどくさいことしてるん?

と、自分の無知と
医療の現場の特殊性を
ひしひしと感じた。

今まで、安全について一切考えてこなかった、
といっているのではない。

看護師として働く中で
毎日毎秒、ミスを起こさないように
神経をすり減らして気をつけてきた。

だけど、
個人で気をつけるレベルの安全だけではなく
その日に働くスタッフ、チーム
部署として、組織として
俯瞰してそれらをみたときに

医療安全は
なんと、諸刃の剣の上に
成り立っているのかと感じたのである。

看護師は『看護の専門家』であり、
医療安全の専門家ではない。

多くの看護師がそうであるように
医療安全について、専門の知識はない。

これまでの個人の経験、
他者から見聞、
自らの学習の上に
幾重にも積み重ね
試行錯誤の結果培った
行動特性によって
成り立っていると思う。

そうして
いちスタッフとして働く者が
メンバーシップを考えて動けるようになれば
まわりのメンバーと協働しあい助け合うことが可能になる。

メンバーシップがとれる者が
リーダーシップをとれるようになれば、
リーダーとしてチームをまとめ滞りなく
チームが目的を達成できるよう取り計らえる。

医療において、
安全を考えて行動することは
当たり前のことであり

ずっとそうしてきた。

この『ずっとそうしてきた』
ことが問題ではないかと思う。

お偉い様方のお達しにより
各施設、各部門には、
医療安全管理者なる専従の人が置かれる。

だかしかし、その人数は
基本的に各部門に1人だ。

大きな病院では
看護師だけでも1000人はゆうに超える。
その看護部に1人、ないしは数人というのが
現状のようだ。

もちろん彼ら専従の下には
幹部クラスが属するグループや、
平社員代表が属するグループなんかがある。

しかし、実際に
現場の安全を確保するのは
平社員代表とその他平社員のほうである。

しかし
その平社員代表は、ある日
『来年、医療安全よろしく〜』
と任されるのである。

もちろん、任されるには
個人の特性も考慮されているはずだが
大体1年か2年くらいで
コロコロかわる。

なった本人にしてみれば、
で、なにをしたらいいん?
レベルからはじまる。

経験しながらそれを学べ、と
いわれればそうだが

実際には、目の前のことに
対処していくのが精一杯だ。

対策なども
これまでずっと慣習的に行われてきたことが
脈々と行われている。

しかも、通常業務をこなしながら
それを行わなければいけない。

逆にいえば、業務をこなしながら
できることしかしない。できない。

だから結局、
本来の医療安全の考え方みたいなもんは
浸透していないように思うし
抜本的な解決に結びつきにくい。

ちなみに、管理者には
現場の辛さが伝わらないという
ありさまである。

ミスが起こるのはスキルの問題。
ミスが起こるのは使う物の問題。

確かに、それもあるだろう。
だが、ほんとうにそれだけだろうか?

起こった事象について
個人攻撃でおわりがち。
いつものおきまりの
『結論』『解決策』でおわりがち。

平社員の私たちこそ
医療安全の考え方を
浸透させなきゃなぁと思う。

わたしたちがやっていることは
はたして、正しいのか?
やりづらさは何からきているのか?

若い人ほどフットワークは軽く
頭はやわらかい。

『これ、意味ありますか?』
はい、ごもっとも。

変なルールがたくさんある
医療の現場。

なんでもかんでもやらされる。

何でも屋じゃないんだよ。私たち。

改めてみると
働きにくさ満点である。

看護師という
専門性が、その特殊性が
どうも悪い方に
機能しているように思う。


医療安全って
全ての根源だと思う。
働きやすさは、透明性や安全性をうむ。

だけど、組織運営もシステム構築も
のし上がった、一部の〝看護師だった〟人が
役割を変えてそれを担っている。

偉い肩書きがついても
そこの専門性は低いのでは?と思う。


看護師だけのスキルでは無理がある。

と、考えると人って一生勉強。


あぁ、考えるだけでハゲそう。
見えない敵がいる感じ。

負けないわよ。

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