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32年間取り憑いていた妖怪の話

過ちの序章

初めて出逢ったのは大学四年の頃、その妖怪は私が所属していたサークルに新入生として侵入してきました。
最初はね、年下の可愛い男子が『先輩!先輩!』て懐いてきたから、殿方に縁遠かった私はときめいてしまったんです。
奴はその頃から付き合ってる彼女(しかも私より年上のバリキャリ)がいて、デート代から生活費に至るまで面倒見てもらってたとか(ヒモですな)
その彼女に捨てられた後は、アイドルのような後輩に手を出したものの、自分の同期に奪われて捨てられ、私に取り憑いたわけです。

離婚寸前に聞いた話ですが、そもそも私に興味はなく、サークルの中で人気ナンバーワンだったから彼女にすれば先輩たちからも一目置かれると思ったんだとか。
人気あったとか、そんな話初耳だわ(笑)
当時生娘だった私をヤリ逃げして自慢話にしようとしたら、ヘマして捕まったんだとか。そりゃ残念でした。

結婚するまで何度か別れたんですよ。そこでやめとけば良かったんですよね。
アホだな私。
やっぱりね『最初のオトコ』のインパクトの強さよ(笑)殿方に免疫がなかったのが敗因ですな。

奇行開始

私に取り憑いてからというもの、メンタルを削りまくる言動行動の数々。
元カノからのプレゼントを『一生の宝物」と今カノの私に自慢するわ、デートの最中に『あの子可愛い!あっちの子の方が俺に釣り合うと思わない?声かけて来てよ』と言って、私にナンパの片棒を担がせようとするわ(さすがにやりませんでしたけど)数え上げたらキリがないくらいゲスでした。
ほんと何でやめなかったんでしょね?惚れた弱みって恐ろしい。
奴の元カノの皆さんを見習わなきゃいけなかったですね。

付き合い始めた頃とほぼ同時期に、私は会社員して貯めたお金で、声優養成所に通い始め、飛び級で所属待遇になりました。
所属になったとはいえ、声優で食っていけるほど甘い世界ではないので、バイトをしていたんですけどね、やっぱ実家暮らしでしたので、奴に言わせれば『ただのニート』。自分よりレベルが低いと見てたらしいです。
だから尚更ショックだったでしょうね。
結婚式場に選んだ場所のスタッフさん全員が、私の父を知っていて、めちゃめちゃ尊敬していることを知った時は。
その結婚式場は、父が社員だったので割引があるから選んだんですが(姉も同じ式場で結婚式しました)お色直しの衣装が無料になるシステムがあると聞き、一番高いドレスをお願いした時のことです。
『お父様のお名前を教えていただけますか?』
『(父のフルネーム)です』
と言った瞬間、ブライダルカウンター内で仕事していたスタッフさん全員が立ち上がり
『〇〇閣下のお嬢様でいらっしゃいましたか。閣下には大変お世話になり、感謝しきれません』
閣下・・・って、うちの父は悪魔じゃないはずなんですけども(笑)
奴のお父さんの仕事の関係で、奴の地元でも結婚披露パーティーをした時も、やはり父を知っている方々が
『▲▲くんは、とんでもなく偉い人のお嬢さんを嫁さんにもらったんだね。大事にしないとバチ当たるね』
と言いまくったらしく、その後くらいから、奴は駄々っ子のように不機嫌になり始めました。

モンスター爆誕

私の父が、私の周りのみならず、奴の関係者からも尊敬されていることを知ってしまって以来、事あるごとに『何にも出来ないオジョウ様だからな〜』『ほんと我儘ヒメは困るよ』と言うようになりました。
言い訳になりますが、私は物心ついた時から、母に
『尊敬されているのはお父さんであって、あなたではありません。
あなたが丁寧に扱っていただけるのは、全てお父さんの努力と能力の賜物ですよ。勘違いしないように」
と育てられているので『パパが偉いってことは〜私も偉いの〜』という感覚は微塵もありませんでした。

そんな時、ある事件が起きました。

奴の地元での結婚披露パーティーが済んで、しばらく経ったある日、奴の弟(私の義弟)が突然亡くなりました。まだ21歳という若さでした。
私には詳しいことは知らされず、突然病気で亡くなったとしか分かりませんでした。

この時に、子供を亡くした義両親に取り入り、私の家庭を崩壊させるきっかけになった、自称霊能者が私を鬼の子にでっちあげるべく義実家に入り込んで来たのです。

今回はここまで。

読んでくださって、ありがとうございました。





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