全ての車に乗る人、乗せてもらう人へ。ブレーキ故障で死にかけた僕から伝えるべきこと。

生きててよかった

神様ありがとう

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事故直後

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5.22

僕らは山梨県、ほったらかし温泉にいた

名物の温泉卵の天ぷらが大好きでその日は2つ食べた

男気じゃんけんで負けて「今日は良い日だ」なんて能天気なことを考えてた

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事故直前の写真(友人撮影)

お気に入りの馬刺し丼の営業時間に間に合わなくて

「何食べるー?」そんなたわいもない会話をしながら運転する

いつもと変わらない日常であると誰もが疑ってなかった

下り坂になり、異変に気づく

(あれ・・・?)

(ん・・?ブレーキが踏み込めない・・・?)

徐々にと悪寒が全身に広がっていく

一回落ち着いて確認し、もう一度踏み込んでみる

しかしブレーキペダルは鉄のように固まったままだった

必死にギアを変えハンドブレーキも試す

それに対して愛車は、ものすごい勢いで右に傾いていくメーターで

無機質に現実を伝えてくるだけだった

詳しく覚えてないが、中心より右にあるから100キロは超えてただろう

目の前に十字路が見えてきた

そこには対向車が右折しようとしてる

(お願い・・来るな・・・)

祈りは通じたようだが、根本的な部分は何も解決してない

打つ手がない

悟った、「脱輪させて、壁に擦らせて止めるしかない」と

22歳の時に頑張って働いて背伸びに背伸びして買った、納車して2か月の車をだ

後部座席に叫んだ「ぶつけて止める!!!いくね!!?」

返答はなかった

代わりに戦慄した表情で僕を見返してきた

(どうか死にませんように...)

そう願いながらハンドルをゆっくり左に切った

刹那、言葉では到底表すことのできない衝撃が止めどなく襲ってくる

目を開けてても何も見えないほどに

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車の約100m前に落ちてた、右前輪のホイール(金属製)

後ろからは叫び声すらも聞こえてこない

誰もが『死』を覚悟した

エアバッグが作動し、顔面に衝撃が走る

ボンネットが開き、ガラスを覆って何も見えなくなった

「止まれ止まれ止まれ止まれ・・・」

右に戻ろうとするハンドルに負けないように握りしめた

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正面が見えなかった(事故直後撮影)

衝撃が収まり、現実が戻ってきた

車内にはエアバッグのガス臭が蔓延し、ハザードの音と耳鳴りがけたたましく鳴り響き、頭ん中をぐちゃぐちゃにしてくる

(あれ・・・生きてる?)

自覚するまでにしばらく時間がかかった

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壁に擦り付けて停車した

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ブレーキ故障から停車までの約1キロ、その300m先に急カーブ

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撒き散らされた金属片、その先に車

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今も「たられば話」が浮き出てきて

その度に鼓動が早まり、手がじんわり汗ばむ

あの時、十字路で車とぶつかったら?

あの時、十字路に人がいたら?

あの時、擦らせる壁がなかったら?

あの時、助手席に人がいたら?

あの時、判断が遅れたら?

大勢を巻き込んだ大惨事もあり得た

同乗者ともに生きてるのは何かの奇跡だろう

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急死に一生を得た自分からみんなに伝えたいことは3つ

1つ目、命を守るために頑丈な車に乗ろう

「これが軽とかだったら左半分なくなってたと思うよ」

レッカーのお兄さんが言ってた

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ベースのフレームはしっかりと形を保っていた

2つ目、シートベルトをしよう、させよう

今回後ろの2人がシートベルトをしていなかった

口うるさいやつと思われたくないから言うのを避けていた節もある

今回、壁がなかったら正面衝突させて止めるしかなかった

100キロオーバーでシートベルト未着用であれば死んでたと思う

乗せるのならば、つけさせる責任

乗せてもらうのであれば、つける責任

これを徹底してほしい、絶対に

3つ目、事故はいつだってすぐそばにあることを知ってて

ブレーキが効かなくなったのはベーパーロック現象が原因だと言われた

「長い間ブレーキを使ってる」と起きると言われてるが、条件が重なれば起きる時は起きる

車検が通っていても、だ

(追記:ベーパーロックの場合は、ブレーキペダルをがスカスカになるらしい。Twitterでは負圧などが原因?などと教えて頂きました。その場合、もっと強い力でブレーキペダルを押すのも試すべきらしい。)

事故は決して他人事じゃない

次にブレーキ故障になるのはあなたかもしれない

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ありがとう、神様

守ってくれて

バイバイ、ジープ

たった2か月だけど、本当に楽しかったよ

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阿蘇の絶景と友人とかつての愛車

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