介護施設の避難訓練について【非常災害時の対応に関する研修】
こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。
私は作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長をしています。
介護施設管理職の仕事とは、職員のマネジメントをしながら研修や訓練を実施し、また基準を満たすよう帳票類を整備すること。
そして「知らなかった」、「忘れていた」では済まされません。
日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、管理職に必要な知識と情報をシェアしていきたいと思います。
今回は、避難訓練について書きます。
皆さんご存じの通り、介護施設では年に2回必ず防災訓練をします。
そして、もちろん実際に災害が起きたことを想定して行動します。
しかし、訓練である以上ご利用者に無理に急がせることもできないし、拒否する方を無理やり避難させることもできません。
訓練はあくまでも訓練で、実際に災害が生じた際は『あなた自身の判断と行動』が必要になります。
ではあなたの事業所が営業中に火事等の災害が生じた時、
あなたは何を優先に考え、
どのような判断をし、
どのような行動をとるべきか、
それを知っておくことは重要です。
この記事でその点について具体的にお伝えしたいと思います。
もちろん、"非常災害時の対応に関する研修資料"の資料や"防火防災訓練"の資料にもなるので、ぜひ活用してみてください。
避難の優先順位
まずは災害が生じた時の優先順位についてお伝えします。
避難するご利用者には優先順位が必要です。
優先順位はこのようになります。
独歩のご利用者
認知症のご利用者
車椅子のご利用者
介助歩行のご利用者
ベッドで寝ているご利用者
職員
ここでの優先順位は、「避難場所へ誘導しやすい方」から誘導するよう判断します。
まず自分で動ける人(独歩の方)から避難させていきます。
その時の誘導には2人の職員が必要です。
誘導したところには職員一人を必ず置いておくようにします。
もし認知症などで指示が入りずらい方ならば、最初に無理に避難させず、それ以外の人をまず誘導します。
その次に「歩いて移動できるけど指示が入りずらい方」の誘導に入ります。
そして最後に寝たきりの人を誘導します。
寝たきりの人はシーツにくるんで3人で移送が必要です。
出入り口から近い順か、もしくは体重の軽い人から避難させます。
避難が必要な時にすること
発見(火事)
呼びかけ
通報(地震以外)
誘導
点呼
消火
救護
災害が起きた場合、1~7の順に行動します。
1.発見→2.呼びかけ→3.通報
具体的には下記のような行動をしましょう。
火事の場合、発見者が大きな声で「火事だー!!」と周りに知らせる
発見者は責任者(管理者)に家事の状況を簡潔に報告する
周りのスタッフは慌てることなく、ご利用者に落ち着くように働きかける
通報者(相談員)が119に通報する
通報(火災の場合):
「火災です」と伝えます。
そして住所、施設名、氏名、連絡先、対象物がどのように燃えているか、を慌てずに正確に伝えます。
これらは普段から言えるように訓練が必要です。
電話のところに貼っておくのもいいかもしれません。
4.誘導→5.点呼→6.消火→7.救護
誘導:
前述のように基本的には歩ける人からになりますが、普段からご利用者個々の避難方法、優先順位等を色分けしておくなど統一意識を持っておくことが重要です。
また施設内で火災の想定される場所を考えて、避難経路を決めておきましょう。
独歩のご利用者は一か所に集めて、先頭と最後尾に職員が付き安全を確保しながら誘導するのも一つの方法です。
その際は拡声器や笛などを使い、混乱防止に努めます。
ロープを使うのも有効です。
歩行に介助を要する場合は、車椅子を使うのか、介助歩行にするのか事前に決めておき安全を確保しながら避難します。
ベッド静養中のご利用者はシーツにくるんで3人介助になります。
担架を使用する場合は、複数人でご利用者を持ち上げ、その下に担架を差し込みます。
持ち上げる時は声を掛け合い、水平にゆっくりと持ち上げます。
担架での移動は下記の点に注意しましょう。
消火:
消火は初期消火のみで、天井まで炎が達したら消火班も避難を始めましょう。
点呼:
避難場所での点呼をします。
点呼者(管理者)は最後に施設内の逃げ遅れがないかを確認しましょう。
おわりに
災害はいつ来るかわかりません。
明日かもしれませんし、今日かもしれません。
いつ来ても適切な対応がとれるように下記の項目を必ず覚えておきましょう。
いかがだったでしょうか。
介護施設において"避難訓練"や"非常災害時の対応に関する研修"は必須です。
それだけ重要なことだと受け止め、しっかりと対策しておきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後も、管理職又はリーダーであるあなたにお役立てできる記事を投稿していきますので、スキ・コメント・フォローなどいただけると大変嬉しいです!
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