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第4話:実は「振り付けはできるだけやりたくない」

新人ちゃん:ちょっと!表題気になりすぎ!振り付けはしたくないんですか?!私が申し込むときはウワサの山上マジックとやらをかけてもらって〜!って密かに考えてたのに!

山上:「演出」はガンガンします。売れっ子やベテラン相手でも感じたことは必ず伝えますし、出来るかできないかに関わらず引き出すためのディレクションは連発します。
でも「僕のプレイをなぞればいいよ」はやりたくないって意味です。

実は最近分かったのですが、多くの方は『振り付けと演出の区別がついてないらしい』んですね

新人ちゃん:私、よくわかってないかも。

山上:振り付けって想像以上にリスキーですよ。「私が現場に行ったらこうなります」をアピールするのがボイスサンプルですから。現場で出来ないその場限りのごまかしを乱発するべきではないと思うのです。売り込み先に対してもとても失礼なことですSI。

新人ちゃん:うう、私も正直言うと目先のことだけ考えてたかも‥

山上:振り付けしてしまうとアピールが僕の想像力の範囲から出られなくなりますし。そういう関わり方は自立支援のごりっぱスタジオとして本望ではないのです‥‥。

新人ちゃん:でもでもでも!自分の力だけだと売れなかったからお力をお借りしたいんですよ。私なんかもう瀬戸際だから……

山上:それは大丈夫。「数年売れずに燻ってきた。自分だけではもう限界」ってエッジに立ってる人の場合は、やむなく緊急避難的に振り付けをすることもあります。でも現場で苦しむという先々の可能性の話よりまず「今をなんとかしなければ」の最終手段ですね。振り付けをきっかけにご本人のどこか歯車が噛み合ってプレイが変わっていくことだって無いでもないですし。
‥‥でもやっぱり、極力お勧めはしたくはないんですけどね。

新人ちゃん:魅力的に見えるのは禁断の奥の手だったからか‥‥。

山上:奥の手ありきで考えてること自体が、表現者としてリスペクトできなくなるからです。僕は、演出とプレイヤーのラリーが火の玉になって聞き手の心に刺さると信じてるんですね。
そこを目指さず、最初からチートを欲しがるってことは、そもそも与え手に回る自覚が少ない人なんだなって思ってしまうので。そうすると胸張っt‥‥

新人ちゃん: 「胸張って料金請求できなくなる」がまた出た!

山上:ちなみに時々ですが「レッスン的にサンプル作りを通して表現の幅を広げたい」と言う人もいます。そんな場合には、相手の無いケースになりますから、レッスン的に伸び伸び楽しんで振り付けします。

新人ちゃん:ナレーターが選択してれば、ごりっぱさんにとってもできることが増えるってことですね

山上:先ほど「ラリー」の話が出たので、ついでに第5話で話しておきたいことがあります。

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