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ドキュメンタリー映画研究会「街角の盗電師」



映画によれば、インドでは貧しさから、電気代を払えない人が圧倒的多数。
僕の勝手な想像では、不払いの理由の3分の1は賄賂で、さらに3分の1は個々の人柄もあるのではないかな‥‥とも思うけど、とにかく、電気については整備事情がまるで成り立っていないよう。

そんな中、義賊として勝手に電線をいじくって、不法に電気をひく「盗電師」が跋扈。マイケルJフォックス似の盗電師が主人公。

電線からボーボー火吹いてたりする何気ない夜。
昼になれば、盗電のために電気を止めるため、機械に水ぶっかけてショートさせ、業者の修理中に、こっそり配線いじくる盗電。
タミヤのニッパーみたいな素人工具でいじくってるから、死と隣り合わせで、このマイケルJも怪我が耐えない。
そんな義賊的行動から、民衆にはチヤホヤされてるのに、親や親類には1ミリも理解されてない盗電師のやるせなさが、彼をさらに危険なミッションに向かわせます。飲んだくれのおじさんに責められてさらに荒んでいくマイケルJ。なんて話だ。

そんな誇り高いけど悩みがえぐいダークヒーローと対決する、電気会社の豪腕リーダーの女性も登場。

バシバシと改善命令をくだしていくのですが、周囲の部下のオッサンたちのいかがわしいノラクラ返事が、これまた絶妙に哀しく、不謹慎だと思いつつ泣き笑いしてしまいそうになる。

さらに大衆人気を狙った見た目と声のいかがわしさナンバーワンの若手政治家まで出てきて、もはや全員悪者アウトレイジ。誰がエエもんで誰がワルもんかさっぱりわからない。

誰目線でみるかで、話をゴロンゴロン展開できます。進撃の巨人の編集者がストーリーに手入れてないか心配になるくらいです。

人物のキャラ立ちも良く、話も大変興味深くて、終始ワクワクしちゃって引き込まれるんだけど、なにせいつだって構図がキメっキメ。
映像もシブすぎるし、かっこ良すぎて、これ本当に普通のドキュメンタリー?なんでクレーンいっぱい置いてるところから日常っぽく歩いて去れるの?インドってそうなの?ってなります。

どこまでほんとでどこまで嘘かもうわかんないけど、オモロイ。
インド版「虚空門Gate」。星5つでした。
495円で観れますのでぜひ。
https://asiandocs.co.jp/set/435/con/334?from_category_id=1


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