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ドキュメンタリ映画研究会「ワイルド・ワイルド・カントリー」
数年前に放送して大流行したらしいネットフリックスオリジナルのドキュメント作品。80年代前半に突如としてオレゴンに大量に現れた、新興宗教団を描いています。
人数を使って、事実上、市を乗っ取っていくコミュニティ。記録映像を見る限り当時のアメリカ中で話題にされていたらしいこの教団。当時が記憶に刻まれているであろう現地人にとってそれはそれは衝撃の内容だったろうことがわかります。エミー賞の5部門にノミネートされたらしいのもさもありなんです。
映画には「再現」はほとんどなく、9割が実際の人物たちのインタビューと当時のニュース映像などで作られており説得力が半端ではない。
また、それら素材のチョイス、並べかた、効果などの「演出」もすばらしく一本1Hの6パート、計6時間「次はどうなるか」ハラハラしっぱなしです。(事件が本格化する前の第1話だけは、アバン以降少し中弛みしますが2話からのスパートがえぐい)
そこまでえぐい内容なのにこのドキュメンタリーは「このパートはこう解釈してくれてええんやで」や「あえてそうは言わないけどあいつがエエモンでこいつがワルモンやで、汲んでや」などの”誘導”も極力避けているし
だからと言って「俺たちは何も示唆しないよ、そっちで考えたらいいよ」というありがちなスタイルでもない
登場人物全員の気持ちに共感できるというか、共感しなきゃいけなくなるほどの作りになっていて、誰の味方をすればいいんだか、無理矢理にでもワル者見つけて落とし所とすることもできず、ある意味、めちゃくちゃ気持ちを掻き乱されます。
インタビューをずっと見守ってきた視聴者にとっては「あ〜案外この人って”そっちじゃないヒト”なのかな?」と思っていた知性的でリーダーシップもあり決断力行動力もあり、ダイアナ妃に似た美貌の女性マネージャーがとってしまう行動。
いかにも法律家として、感情をぐっとこらえて、論理を進めていくナイスガイな弁護士が時折見せる感情の波。
地元住民たちの「飾らない反応」。
憲法を軽々と超えてしまえる「人々の感情」と、国家組織。
今なお残る、様々な疑惑と思惑。
さまざまな感情や考えが入り乱れて、視聴者としては「あー‥‥」しか言えなくなります。
もしネットフリックス未入会な方は、この映画6Hのためだけに、トライアル期間を使って見て欲しい大傑作でした。
https://www.netflix.com/title/80145240
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