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Jamboard の行方は?(2) わたし個人の感じたこと


前回の ↓ について、タイトルの通り、わたし個人の感じたことを書き連ねておきます。

わたしの感じたこと

今回の Jamboard のサービス終了が案内されて、わたしが感じたのは、以下のような感じ。

  • 専用のハードウェアから派生したアプリ(ソフトウェア)なので、他のアプリのように機能追加が行えなかったのだろう。

  • それ故に、他のアプリのように GAS などによる操作を行うための API が提供(公開)されなかったのだろう。

  • 割り切って、現状のまま提供し続けてくれてもいいのに…

という感じです。

専用のハードウェア

Jamboard のサイトを見ると、冒頭に

Jamboard モバイルアプリや 55 インチのクラウドベースのホワイトボードを活用した新しい能動的な方法で、生徒の学習やコラボレーションなどの取り組みにひらめきを与えましょう。

Google Jamboard: 共同作業に適したデジタル ホワイトボード | Google Workspace for Education - Google for Education

と説明されているものの、同じページ内の「Jamboard についてのよくある質問」では ↓ のように説明されています。
人によって解釈が異なるかもしれませんが、わたしはこの文章を見て、「Jamboard というハードウェアがあり、それをアプリでも使用(エミュレート)できる」というスタンスなように読み取れます。この他の部分でも、Web アプリというよりは、専用ハードウェアの説明をしているように感じられる部分が多々あり、軸足がアプリではなく、ハードウェアにあるような感じがするのです。

Jamboard のサイトでの説明(当該ページのスクリーンショット)

わたし自身、一度も専用ハードウェアの Jamboard を見たことがないのですが、Web アプリ(Web ブラウザ)と iPad のアプリでも少し挙動が異なるのと同じように、専用ハードウェアでも Web アプリとは違う挙動になるのだと想像しています。

その違う挙動になってしまう要因が何なのかはわかりませんが、専用ハードウェアでの動作を限定的なものにすれば、Jamboard の機能を向上させることもできたのでしょう。しかし、軸足が専用ハードウェアにある状態では、それができず、機能追加されないままの状態が続いてしまったのだろうと思います。

ここ数年、お客様から、Figma の FigJam、Lucid の Lucidspark、Miro などのホワイトボード ツールを組み合わせて使用することで、業務をより効果的な進められるというフィードバックをいただいています。無限のキャンバス、ユースケース テンプレート、投票などの高度な機能を提供するこれらのツールの性能が向上したため、Google は、Workspace のホワイトボードにパートナー エコシステムを活用することにしました。

Google Jamboard の提供終了について - Jamboard ヘルプ

そうこうしている間に、他社のホワイトボードツールの機能が向上し、それらの方がより効果的な状況になってしまったため、Jamboard をリニューアルするよりは、「パートナー エコシステムを活用する」という方向を選択したのでしょう。

API が提供されていない

もともと、前述のヘルプ記事の中で

Google は、ドキュメント、スプレッドシート、スライドを横断したコア コンテンツ コラボレーションに重点を置いています。

Google Jamboard の提供終了について - Jamboard ヘルプ

と説明されているものの、Jamboard については GAS(Google Apps Script)で操作するための GAS の API が提供されていませんでした。

Google チャットのように、GAS での API が公開されていないものの、Web API は提供されているものも存在していますが、Jamboard についてはWeb API も提供されておらず、先日の投稿( ↓ )のように無理やり付箋のデータを書き出すくらいしかできませんでした。

Jamboard へのフィードバックなどで、GAS への対応などを要望していましたが、対応されないままだったのも、そんな立ち位置だったからなのかもしれません。そういう意味でも、Jamboard は他の Google のアプリ(コアサービス)とは違ったものだったようです…

そしてサービス終了

そんな立ち位置の Jamboard が、来年末でサービスの提供を終了することになりました。個人的には、完全にサービス提供を終了するのではなく、以下のような方法にして欲しかった。

  1. 現状の仕様を明示して、機能追加は行わず、現状のまま提供し続ける。

  2. 軸足を専用ハードウェアの Jamboard から Web アプリに移し、Google としてホワイトボードアプリを提供し続ける。

Google 側とすれば、サードパーティ製のアプリに、今から追いつくことは難しいかもしれないし、制限事項を明示したとしてもサポートを継続するにはコストも発生するので、「継続」ではなく「提供終了」という決断になったのでしょうが、残念な思いがあります。
前者のように、Google 図形描画のように、アプリランチャーに表示されないけれど、便利なツールとして提供し続けてくれればよかったのに…

とは言え、これだけ大々的にアナウンスしてしまったので、これが覆ることはないでしょう。
あとは、Jamboard の代替となるアプリ(サービス)を検討し、スムーズに移行できるように準備を進めるしかないと思います。

対応策は?

思うに、すべての教員がそれぞれ検討するのではなく、教育委員会や学校としてどのように対応するのかを決めるのが先だと考えています。
それぞれの教員が検討するのを止めたいわけではありませんが、公立学校の場合には教育委員会、私立学校であれば学校が、組織としての方向性を決めるのが先ではないかと思うからです。

Google が提示したいくつかのサードパーティ製のアプリを使用することになれば、保護者に同意を得ることになるでしょう。そういった手順が、それぞれの教員が行えるような体制であればいいのですが、多くの場合は学校として行うことになるのではないでしょうか?

だとすれば、現場の教員はすぐさまバタバタすることはないと思います。

Google 側も

今後数か月をかけて、Jamboard データの保存方法や Jamboard データを FigJam に移行する方法などを Jamboard アプリのユーザーと管理者に向けてお知らせします。数週間以内に、ヘルプ センターを公開する予定です。Google for Education をお使いの方はこちらも合わせてご覧ください。

Google Workspace のデジタルホワイトボードについてのアップデート | Google Workspace ブログ

と案内しているように、詳細な情報が提供されるのはこれからなのです。🫡

最後にはっきりさせておきますが、いろいろと書き連ねたものの、一番主張したいのはこの最後の部分です。あわてて空回りにならないように、対応策を検討しましょう。

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