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霊枢 五味篇 第五十六

五味の五臓に対する関係性、五味のよる治療法のお話です。

かの有名な五味の原点はここ。みんな覚えた酸苦甘辛鹹!

食べ物を五味に区分したお話を聞きたい。
色で区分すると、青色は酸、赤は苦み、黄色が甘み、白色が辛み、黒がしょっぱ味に近いです。
この酸・苦・甘・辛・塩味はそれぞれ特定の臓器と関係性が深くあって、臓腑が病んだときに食べるものが、自ずと決まってます。
病のときに食べるといいのが、肝病のときは酸味。心病のときは苦み。脾病のときは甘み、肺病のときは辛味、腎病のときは塩味と取るべきです。
病のときに気を付けなければいけないものもあります。肝病では辛み、心病では塩味、脾病では酸味、肺病では苦み、腎病では甘味です。これを五禁といいます。

四季の食べ物のお話。五味の話には続きがあった!

四季の食べ物も注意が必要です。
春は肝の気が盛んですから、酸味のものを食べ過ぎて肝を過度に補うことは慎み、甘味を取って、肝に剋されがちな脾の気を補いましょう。

春には酸味は取りすぎない。相克関係で肝が脾を剋すから、脾が弱らないように甘味を取るんだって。

夏は心の気が盛んですから、苦味のものを食べすぎで心を過度に補うことを慎み、酸味を取って、心に吸収されて不足しがちな肝を補いましょう。

夏には苦味を取り過ぎない。相克関係でもない。相生関係で心を助けている肝が弱らないように酸味を取ると。

土用は脾の気が盛んですから、甘味を食べすぎて脾を過度に補うことは慎み、しょっぱい味をとって、脾に剋されがちな腎気を補いましょう。

これは相克関係で脾に剋されている腎を補う意味で、土用は塩気がいいのね。

秋は肺の気が盛んですから、辛味のものを食べ過ぎて肺を過度に補うことを慎み、苦味を取って、心を補いましょう。

なぬぬ。相克関係は逆。肺に剋されるのは肝で心が肺を剋す。でも苦味を取って心を補うと良いと。

冬は腎の気が盛んですから、しょっぱいものを食べすぎて腎を過度に補うことは慎み、辛味をとって腎に吸収されて不足しがちな肺気を助けましょう。

ほうほう。これは相生関係にある肺が腎を助けるために辛味をとると。

ひとりごと

私は、五行説でキレイにまとまった世界に違和感があった。ほんまかいなって。そして、いつの間にか形式的になってしまった五行説をそのまま薬膳や治療に生かそうとする現代の東洋医学。

でも、よくよく原文を紐解いていけば、太古の人たちが実直に観察と経験、検証を重ねた知恵がそこに記されていた。私はこっちの方がしっくりくる。だから、私は原文を読みたい。このnoteを始めました。キレイな机上の空論より、臨床に活かせる方がおもしろいもん。

秋は寒さが入って風邪がはやる季節。呼吸器官系の症状がでやすい。粘膜が炎症している。そんなときに苦味を取ってみるとすーって収まるよ。

舌の粘膜に残る苦味が鼻粘膜の炎症をすっと抑えてくれたお話

鍼灸も漢方も、気長に続けないと効かないっていう人がいるけれど、私はそうかな~って思う。ホントどんぴしゃなときは、びっくりするほど即効性がある。これだからやめられない。私をときめかす魔法を紐解くよ。

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