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素問 宣明五気篇 第二十三

五行説を運用するとき、その五臓の気の性質を知っていないといけません。いろんな種類の5つの性質についてのお話です。

五入 (飲食物の五つの味)

五入といって、五味の物が親和性をもって入る臓は決まっているものである。酸は肝、苦は心、甘は脾、辛は肺、鹹は腎に入る。

これが有名な五味の原典。その法則を参考にバランスのとれた食事を考えているのが薬膳料理とか。チャングムの世界です。

五病  (五臓六腑の病)

五病といって、五臓の気が病むとよく起こす症状がある。肝が病めば、よくしゃべる。心が病めば、げっぷが出る。脾が病めば、呑酸があがる。肺が病めば咳が出る。腎が病めばあくびやくしゃみが出る。

肝と肝臓は違うので注意は必要ですが、確かに肝臓が悪い人、特に女性ってよくしゃべってません?女性がおしゃべりなのか、肝臓のせいなのかは不明ですが、日常生活を思い出すと意外と参考にできるな~と感心します。

また、胃が病めば気が逆上してしゃっくりを出し、よく恐れる状態となる。大腸と小腸が病めば下痢をする。三焦のうちで下焦が病めば、水腫となる。膀胱の機能が悪くなると小便がでなくなり、締まりが悪くなると小便をもらす。胆が病めばよく怒る。これを五病という。

胃が病むときの呑酸は胃酸過多による逆流性食道炎の症状と似てます。恐れというのは、腎の病だけでなく胃も関係するんですね。肝と胆は表裏関係なので病むと怒るというのはありそうです。

五并(へい)

并(へい)の意味は、「あわせる(并せる)」「ならぶ(并ぶ)」五臓の精気がそれぞれの臓にあるときは病気にならないが、一臓に集中すると実してその感情が強くでるとか。

五并といって、五臓がそれぞれの精気を内蔵する力が抜けると、その精気がいずれかの臓に集中するようになる。心に集中すると喜び易く、肺に集中すると悲しみ易く、肝に集中すると憂え易く、脾に集中すると畏れ易く、腎に集中すると恐れ易くなる。

五感(怒喜思憂恐)では肝が弱ると怒りだったけど、ここでは憂えになってます。脾が弱ると思い悩むのだったけど、ここでは畏れになってます。脾と胃は表裏関係なので恐れる感情は共通項。思い悩んで恐れが沸くというのも想像できますね。

五悪

五悪といって、五臓にはそれぞれ忌み嫌うものがある。肝は風を忌み、心は熱を忌み、脾は湿を忌み、肺は寒を忌み、腎は燥を忌み嫌う。

五悪 風暑湿躁寒って習ったような気がするけれど。。肺は寒さ、冬は乾燥を嫌うと。

読み進めるうちに、ところどころ篇によって、言っていることが違う!!なんでや!どれが本当なの!!って思っていたのだけれど、その答えがわかりました。

黄帝内経は論文集ー言っていることはさまざま

五液

五液といって、五臓の働きが弱ると、体液の分泌が盛んになる。肝が弱ると涙、心が弱ると汗、脾が弱ると涎、肺が弱ると鼻水、腎が弱ると唾が出る。

五禁

五禁といって、病に五味が悪影響を与える。酸は筋を走るので、筋病に酸味を多食してはいけない。苦は骨を走るので、骨病には苦味を多食してはいけない。甘は肉を走るので肉病には甘味を多食してはいけない。鹹は血を走るので血病には鹹味を多食してはいけない。

五病

五病といって病が発症する部位が決まっている。陰病は骨に発する。陽病は血に発する。陰病は肉に発する。陽病は冬に発する。陰病は夏に発する。

五乱

五乱といって邪気が乱す部位がある。邪気が陽に入ると気が狂う。邪気が陰に入ると痺病が起こる。邪気が陽気に伝わると癲癇のような発作を起こす。邪気が陽から陰に入ると精神的に静かである。邪気が陰から陽に出ると怒りやすくなる。

五神

五臓にはそれぞれ内臓している精神的要素がある。心は神、肺は魄、肝は魂、脾は意、腎は志。これ五臓が蔵するところである。

五臓には神がいる。五臓に宿っている気性とこころ。

肝に蔵する魂は良く出るときは積極性だけど悪く出ると出しゃばり。肺に蔵する魄は良く出ることはきれい好きだけど悪くでると潔癖。心に蔵する神は良く出るときは統率力だけど悪く出るとパワハラ。脾に蔵する意はよく出るときは思慮深さど悪く出ると考えすぎ。腎に蔵する志はよく出るときは継続力だけど悪く出るとしつこさになる。

その人の持つ資質通りに生きるってことが、その人らしさ。実のところ、そこには良いも悪いもなくて、赤ちゃんみたいな無邪気さが天使を悪魔を行き来する。同じ人の同じ振る舞いでも、それは受け取る人と状況によるね。

五主

五主といって五臓がそれぞれ支配している部分がある。心は脈を主る、肺は皮、肝は筋、脾は肉、腎は骨。

すごい腹立ったときって、頭の中であの人がこう言った。こういう風に感じた。失礼!ここが間違っている!と何度もループしては怒りのエネルギーがトルネード。今度会ったら、言ってやる!!!

そんなとき、ふと思い付いて、筋トレしてみた。怒りで力めちゃ沸くし。絶対負けねー!!って踏ん張っていると、だんだんプルプルしてきてがくがくしてきて、、、、、はーもうダメだ!って倒れ込むとき、汗と血流がぶわ~って流れて。息をはぁはぁしていると、あらまあ不思議。気持ちが落ち着いてんの。下から込み上がってた気持ちが一周回って肚に収まっている。そんで、もういいや~って。そこまで怒ることでもなかったか。まあいいやって。

そうか怒りが筋と気の流れが似ているから、選手交代可能。肝臓だって、身体で唯一血流が下から上に上がった場所に存在する。

肝って易の八卦でいう震。下から上に上るエネルギー。ほうほう繋がるね。

五労といって、過労が傷害を与える部分がある。長い時間歩くと筋を傷る。長い時間視ると血を傷る。長い時間座ると肉を傷る。長い時間臥すと気を傷る。長い時間立つと骨を傷る。

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