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コンプレックス『声』

家で遊んでいた小さい頃には気づかなかった。
ざわざわと騒がしい場所で、私の声は全然通らない
ってことに。
  
気がつき始めた幼稚園時代。
お当番さんは、朝お友達の顔を見ながら
一人ずつ名前を呼んで出席を取ることになっていた。
緊張しぃなので、みんなの前に立ってるだけで
足が震えたけれど、人の名前と顔を覚えるのは得意
だったから、余裕で端からお友達の名前を呼んだ。
でも、一人の子が返事をしてくれなかった。
代わりに『聞こえませ〜ん』って。

  もうお当番なんてやりたくない!!
 
小学校に入ってからも、「聞こえません」はよく
言われた。普通に声を出してる...いや、頑張って
大きめに声を出してる...それでも言われる
「聞こえません」にはホントに泣きたくなる。
頑張ってもどうにもならない。
大きな声、よく通る声の友達が羨ましかった。
 
ある日、音読の順番が回って来て  "さぁ読もう"  
としたその瞬間(まだ1文字も読んでない)、
後ろの男子が言ったのだ。
「聞こえません」と。
即、ツッコんだ男子もいた。
「まだ読んでね〜じゃん」
ドッと笑いが起きた。
私にとっては笑い事じゃないのに。
後ろの席の男子は、私の番になったら
「聞こえません」って言おうと準備していたに
違いない。実際、聞こえてても聞こえてなくても
どっちでもよかったのだと思う。いつも他の子が
言ってるみたいに、勝ち誇ったように言って
みたかったのだ。
最低だ…。

きっと腹から声を出してないからだ...と、
親が剣道教室の話を持って来た。
中学校の剣道部に混じって小学生(5,6年生)
が練習に参加できるというものだった。
気乗りしないまま、女子数名と一緒に参加した。
案の定、何度も何度も注意される。
「声がちいさ〜い‼︎腹から声を出せ〜っ!!」と
すこぶる大きな声の中学校の先生に(苦笑)
怖かった...(泣)
  
高校時代はもっとも大変だった。
母の高校時代から変わらぬ木造校舎は、とにかく
ガタガタとうるさくて、隣のクラスの椅子の音や
ドアの音、教室の声、廊下を歩く足音やミシミシ
音が響きまくる校舎だった。
音読中に、隣のクラスや廊下の騒音で、私の
溶けて消え入るような声はかき消されて何を
言っているのか隣の席の子にすら聞こえない
状態だった。
聞こえませんの連続。
もう何も喋りなくなくなる。
答えがわかっていてもわかりませんと言いたく
なった。
その上、中学時代から続く緊張(下記note)

高校時代は、病みまくりだ(苦笑)

この”病み”は、この後の一人暮らしで
大分解消されたけれど、声のコンプレックスは
今も変わらず続いている。
でも不思議なことに、年とともに声変わり?
女性も声変わり?
なんか消え入るほどの声より、低い声に変化
して、ちょっとはマシになってきた気がする。

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