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⭐️番外編⭐️ no.1 カナディアンワールド 【北海道/芦別】

北海道の中央部、空知地方には「美唄」「三笠」「夕張」…といった炭鉱の街が多数存在します。

今回の所在地である「芦別」もその一つ。
三井や三菱といった名だたる財閥がかつては炭鉱開発に勤しんでいました。

今回取り上げるのはそんな芦別にある
芦別カナディアンワールド🇨🇦

は?炭鉱の前置きは…?
と、なりそうですが後々触れていきたいと思います🙇

旧産炭地域巡りをしながら、
またしても何も知らない大泉洋状態で
訪れたカナディアンワールド。
どうやら赤毛のアンの世界が再現されてるとのことで来てみました。

車で来ましたが、かなり山深い場所にあります😅

入り口付近に案内図がありました。

ん?なんだかそれなりに広いのかな?
そんなことを看板を見て思いつつ、
車を停めて入り口方向に進みます。

う〜ん人気なし。

誰もwelcomeしてくれないよ〜
色褪せた可愛らしいイラスト

ちなみに入園料は駐車場付近の小屋(元料金所)に
確かボックスがあって、それに入れたと思います。

さらに進んでいくと…

…???
超北海道的な大地に夏の青空、
そしてポツンとそびえ立つ謎の塔!!
よく分からないので、とりあえず塔まで行ってみることに。

先客の方がいました。第一村人発見!

塔の中は階段があり、
蜘蛛の巣や蜂の巣がありそうな気配に怯えつつ
登ってみます。

劣化具合が怖いです笑
ここにもアンちゃん。

そしててっぺんまで登ってみると、

お!見えるじゃないですか集落(?)が!

大自然にポツンと集落。
しかも洋風なのがなんかシュールです。


塔より先に進むと例の湖畔の集落(笑)に
辿り着くことが分かったので、
ひとまず歩いて向かってみることに。

が、北海道とはいえ9月は暑い…
ふと冷静に考えると、
「あれ、車で行けるんじゃね?」という気付き。

その通りで、入り口の地図(写真1枚目)を見ると
車が一方通行で入れるとの表記が!
公園に車で入れるとはつゆしらず、
無駄な労力を使ってしまいました…

道の途中では可愛らしいマンホールを発見しましたが(写真下)、
それにしても草が生い茂って道に侵食してた印象が強いです。

気を取り直して車に戻り、
湖畔の集落まで狭いオフロードのような道を走ります。

いざ、湖畔の集落に降り立ってみると…


うわ〜っ!
こ、これはなんと退廃的なメルヘン!
人影もまばら(多分他にお客さん2.3組のみ)で、
ちょっとリミナルスペース的な雰囲気。

正直、清里なんかより濃縮度も高いし、
廃墟好きやバブル建築好きにはたまらないはず。

この並びのいくつかの建物は
お土産屋さんや案内所として使われており、
中に入ってみると…

手前がデッドストックと思しきお土産。
この部屋自体は元々は飲食スペースと見られる。
(オルゴール達の背後にカウンターあり)

う〜んと、物置感が強いですが
おそらく輸入物のコレクション(オルゴールなど)が無数置かれていたり、デッドストックと思しきお土産たちが売られていたり。

巨大クマちゃんもいますし、
クソデカパイプオルガンもあります。

どんより気味のクマ。
装飾が豪華。


 ちょっと覗けば本当に物置き

元メリーゴーランドでしょうか?

ちなみにここ、カナディアンワールドは
赤毛のアン(カナダが舞台)をテーマにしており、
園内のあちらこちらが赤毛のアンゆかりのスポット。
ただあまりに園内が広く徒歩移動がきつい(というか車移動推奨)。

私自身、赤毛のアンは内容を全く知らないのですが

確かこれがナントカおばさんの家だったか…

かなり劣化が進んでいて、中には立ち入れない。


こちらが噂のグリーンゲイブルズ(アンの家)

住みたい。

こちらは中に入ることができ、
なんとびっくり

人住んでる?!と思うくらいのクオリティ!!
ちゃんと原作を知っていれば、
どれが誰の部屋かすぐ判別がつくでしょう。

ディズニーランドにも負けず劣らずなクオリティ、きっと管理が徹底されているのでしょう。


そろそろカナディアンワールドの歴史に触れてみます。
私自身、帰ってからwiki等を漁って知ったことばかりでしたが…

実はここ、1990年に開設されたテーマパーク🎡

石炭産業の斜陽化を背景に、産炭地域が観光業へシフトチェンジを試みた時代でした。
芦別市も例に漏れず、
「星降る里芦別」と銘打って市内各地に観光施設を次々にオープン。
カナディアンワールドもそのうちの一つでした。

園内に残る開園当時のポスター。
この少女、今どこで何をしているのだろう。

東急の広告会社とタッグを組んだり、
カナダの自治体と友好関係を結んだりと、
当時は至れり尽くせりで集客を図っていたようです…

が、しかし
かなり早い段階から集客が振るわず、
1999年には市営公園化。
その後も規模縮小を繰り返し一度は閉園。
後に市民らの尽力により現在の形で運営が続けられているとのことです。

思えば、芦別に限らず産炭地域の観光業はどこも現実を顧みない途方もない投資により、破綻しています。

オープン当時の園内模型。
今では原野と化している大部分がラベンダー畑だった様子。


バブルの残滓を感じつつ、
歴史の悲哀に想いを馳せると、
えもいわれぬ感情になります。

有り余るほどのお金をかけて、
ファンシーな建物を建て、
輸入物をコレクションし、
芦別の森の中に赤毛のアンの世界観を再現!
観光客もウン十万人!!


そんな野望が成り立つ時代はおそらく日本にはもう来ないでしょう。

園内には移動用の列車があったという名残のレール。

しかし、多くのバブル的施設が維持費に耐えられず姿を消していく中で、今もこの公園の維持に努める地元の方々には感謝の気持ちしかありません。

社会人になったら「友の会」(実在します)に入って、カナディアンワールドの存続に貢献したい…
そこまで思わせる魅力に満ちた
超バブル的テーマパークでした!

喫茶メインのアカウントなのに、
喫茶以外で長文となってしまいました笑
ここまで読んでくれた方がいたら
とても嬉しいです!笑

【訪問日時】2023年9月9日
【所在地】北海道芦別市黄金町731
【営業期間】4月末〜10月末の土日祝のみ

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