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新しいお月見と重箱料理

新しいお月見、これからのお月見に「重箱料理」を提案します。

なぜ重箱料理なのか?

「OTSUKIMI.」さんのnote記事「お月見の設計図 #0」


こちらの新しいお月見プロジェクトの考え「今の暮らしに溶け込むお月見を提案したい」「わざわざ専用のものを買わなくても良いように」この二点に共感したからです。
日常の中のイベントだから肩肘張らないものがいい。だけど特別感は出したい。
そう考えた時に、「まずは器だけでも整えたらどうだろう?」と思いました。
そこで目についたのが重箱。


我が家の重箱

我が家の重箱。ちょっと小さめです。
おせちだけでなく、お花見や子供の運動会のお弁当に使おうと思っていたのですが、近年はコロナ禍のためどれも中止になり、戸棚で眠り続けていました。
このまま新年まで使われないのももったいない。そして重箱ってよくみると、秋の風景によく映えそう!
お月見の時に食べるのなら、どんなおかずがいいだろう……。わくわくしながらメニューを決めて、お重に詰めてみました。

実際に使ってみた


月見×重箱料理

なんとなく「おせち」感がある!
「月見おせち」と呼ぶことにしました。

ポイント
・月に見立てた錦糸卵たっぷりのちらし寿司
・秋の食材を使ったおかず
・無理のない調理工程と普段使いの食材


蓋を開けたらちらし寿司

黒い重箱の蓋を開けた時に、目に飛び込んでくるのは一面の黄色。
「わっ! 月だ!」というイベントらしい盛り上がりが起こりました。
彩りのバランスを考えると、茹でエビや絹さやをのせた方がいいかもしれませんが、あえてシンプルに月色を楽しむのも面白いかと思います。


二段目はおかず

おかずは、筑前煮、りんごきんとん、里芋の煮物を詰めました。
秋に美味しい食材がメインです。
「暮らしに溶け込むお月見」なので、高価な食材は使いません。
ひとつひとつを見れば、大したことのない普段のおかずなのですが、こうやって重箱に詰めると「おぉ!」と思わず歓声を上げてしまいます。

「月見おせち」と称しましたが、正月に食べるおせち作りに比べると格段に準備が楽でした。前日の夕飯作りのついでに、煮物やきんとんの下拵えを済ませ、あとは当日に仕上げます。無理のない調理工程は、お月見のゆるりとした雰囲気にもあっているのかなと思いました。

旬の食材はやっぱり美味しい

重箱から好きなものを好きなだけ取り皿に盛り、月を見ながらいただきます。この日だけは、と子供たちはベランダに出て食べました。ちょっとしたことですが大盛り上がり!「お芋は今が旬の野菜だね」なんて話もできました。
我が家は飲酒の習慣がないのですが、月見酒もいいなぁと思いながら夜空を見上げていました。

お月見に重箱料理、大満足の結果となりました。無理はしないけど、普段とは少し違うイベント感を味わえる重箱料理。来年もまた、私は秋になったら重箱を戸棚から出してくるでしょう。季節を感じるお料理を詰めて、家族でのんびりと楽しめますように。


家庭以外に考える「月見×重箱」の可能性

今回、家庭での重箱料理にチャレンジしましたが、外食でも使えるのでは?と考えてみました。

「月見 重箱」「月見 お重」「月見 おせち」
これらのキーワードでインターネット検索をしてみたところ、ほとんどヒットせず。
唯一見つけたのがこちらの二点。

もっとあると思っていたので意外でした。
そこで、重箱からは少し離れてしまいますが、「月見 弁当」まで範囲を広げてみましたが、イメージに近いものは見つかりませんでした。

「ほっともっと」が月見フェアとして、月見弁当を出していました。
こうやってみると、「月見=卵」このイメージがやはり強いんだと実感します。
今現在、月見商戦が白熱しているバーガージャンルも、月見部分は卵で表現しているところがほとんどですね。

印象的だったのが、「月見 弁当」で検索すると、いわゆるデコ弁の情報が多いこと。たしかに、外食・中食分野で「月見弁当」ってあまり聞かないなぁと思いました。お月見の雰囲気自体、和食や弁当との相性が良いと思うのですが。まだしばらくは「月見×ハンバーガー」の独占場が続くのでしょうか。

ここで今一度、OTSUKIMI. さんの「お月見の設計図 #0」をみてみます。

図で記されている「HOW:どのようにお月見を楽しむか」
・贈りあう ・撮る ・旅する
これらの項目に、重箱料理はぴったりだと思います。

例えば「贈り合う」
正月のおせち料理のように、重箱に詰めたお月見弁当を親しい人に贈ります。
美しい重箱を選べば、食事を楽しんだあとに再利用できます。
特別な日でなくても、「今晩は月が綺麗だな」と思ったその日に、たとえば季節のフルーツをお重に入れて眺めて楽しむこともできます。

「撮る」「旅する」はセットで考えてみます。
月がきれいに見える宿に泊まる「お月見プラン」(あったらいいなぁ)
そこで出てくるお食事が重箱に入っていたら、なんとも雰囲気のあることだと思います。
大きなお重にぎっしりと詰まっている必要はなく、たとえばお酒のアテになるものが、個々の小さい重箱に、ちょこちょことあればとても嬉しい。ここはやはり、季節らしいものがいいですね。銀杏の揚げたものとか、栗のグラッセとか、鮭の焼き漬けとか……。思わず月見酒も進みそうです。
それらはきっと、写真映えすることでしょう。

家庭以外で考える「月見 重箱」の可能性は、「高級感」に寄せて考えると面白そう、と思いました。
家庭での「月見 重箱」は、どちらかといえばファミリー向けでしたが、外食方面でみると、大人中心、少人数でしっとりと楽しむことができそうです。


新しいお月見に重箱料理を提案してみました。
「おもしろいな」「やってみたいな」と少しでも思ってもらえたら嬉しいです。


昨年のお月見コンテストで書いた記事はこちらです。
このときは「蒸し料理」を提案していました。よろしければ合わせてご覧ください。

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