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003 長女を苦しめた私の一言

002 思いの強い長女の選択」とした前回は、長女が、習い事だったバトントワリングを部活でやりたい、ということで、公立中で1年過ごした後、強豪校に転校した、という話でした。

公立中で過ごした1年ですが、友達に恵まれ、楽しく過ごしていたようですが、学校生活としては、色々しんどかったようです。

割と厳しい環境が好きな長女は、中学での部活は、練習バリバリの部活に入りたかったようですが、そういうところでは、結局一番やりたいバトンのレッスンを休まなければならなくなったりと、スケジュールのやりくりがむずがしく、緩いけど、好きなスポーツと言うことで、卓球部を選びました。

私が卓球が好きだったこともあり、旅行で泊まった宿に卓球台があれば、家族で温泉卓球が始まります。小さな時からラケットを握っているので、入りやすかったのでしょう。

しかし、男女合わせて100人もいる部活。1年生だけでも単純計算で30名以上いる訳で、人間関係もうまくいかなかったようです。派閥として、少数派だった娘とその友達は、夏休み頃から部活に行かなくなりました。
卓球はやりたいのに、うまく出来ない環境、今思えば辛かっただろうな、と思います。でも、それも、良い経験だったと思います。

勉強については、私がプレッシャーをかけすぎたようで、大分苦労させてしまいました。

あまりこれまで、勉強勉強と言うことがなかったのですが、担任の先生がなんと、同じ町内会のご家庭のお嬢さんでした。
「良くも悪くも、筒抜けになるよ」
と必要以上に言っていたと思います。今思うと、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
中2の冬休みに帰省した際に落としていった作文に、私からのプレッシャーがとても辛かった、と書かれていました。
もしかしたら、わざと落としていったのかもしれませんが。

プレッシャーほど、悪影響ありませんよね。
そういうわけで、当時の成績は、下がる一方で、一度も上がることのない一年でした。

バトントワリングの方は、団体で参加する大きな大会が六月に行われました。日頃、この大会に出るために一生懸命練習するのですが、参加規定として3名以上の団体、ということなのですが、当時、メンバーが減っていて、大会に参加できるメンバーが娘を入れて4名しかおらず、もし自分が抜けたら、大会への参加が危ぶまれる、という状況でした。

私も、薄々気づいていました。

だから、小学校のうちに何度も長女に伝えました。
大会への参加を気にして、自分の人生を変える必要はないよ。なんとかなるから、自分の進みたい道を選びなさいと。
でも長女は、「地元の公立高校に進む」としか言わず、そしてそのまま進学したわけです。

今通う学校に入学が決まったとき、長女に、
「編入を希望することにした、一番の理由は何?」
と聞いたら、
「メンバーが増えたこと」
と言っていました。

長女が中1のうちに、メンバーが増え、行くなら今だと思ったそうです。

みんなのことを考えて一度は進学を諦めたものの、大丈夫だと確信してから、自分の思う道を選択したわけです。

大好きなメンバーと一緒に大会に出ることが出来た上に、行きたい学校に進学も出来、結果的に一番最高の選択肢だったのではないかと思います。

さて、編入した学校ですが、関西の学校だったため、中学生にして寮生活です。食事こそ作りませんが、洗濯やアイロンがけ、お金の管理はすべて自分で行います。

あまり多くを語らない長女ですが、度々電話がかかってきて、学校のことや寮のことについて話してくれます。
ちなみにこの学校は中学生は携帯禁止なので、テレホンカードを使って、寮内の公衆電話からかけてきます。

編入して2年目になりましたが、昨年一年は本当に充実していたようです。
でも、やっぱりホームシックというか、さみしい思いをすることもあったようで、大きな大会の前などは、緊張からか、毎日のように電話をかけてくることもありました。

「娘と離れての生活は、寂しくないの?」

と聞かれることも多いですが、寂しくはないです。
全く、とは言えませんが、本人が好きなことを精一杯やれていることが何よりも嬉しい。
そして難しい年頃ですから、同じ屋根の下にいたら、ぶつかることも度々だったでしょうから、かえって良い関係が築けているように思います。

「一芸に秀でる子」をモットーに、部活のために中2から私立に転校して寮生活を送っている中3、受験勉強を自ら希望し、読書力だけで乗り切ろうとする小6、彼氏アリのおしゃまな小2の三姉妹を育てる母です。普段は、書籍などのデザイン・編集・雑用をこなす、獅子座のAB型です。