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『永遠の仮眠』読了(松尾潔/:著)

本の感想を書く事は稀だが、ここ数日、娘が寝入ってからの一番の楽しみになっていた、松尾潔さん著/『永遠の仮眠』、読了。

音楽業界が軸のストーリー。

あの熱量と、小粋な世界観と、様々な様相の期待と、自分を重ね合わせる感覚と、、初見で味わったあの至極の高揚感と衝撃のようなものが、もう味わえなくなってしまうのは少し寂しい。…とはいえ、二度目を読む時は、また膝を打つ新たな発見があるだろう。笑

常に気掛かりである、今、更に力を振り絞る闘病中の母の容体のことも、心中少しだけ和らいだ。



以下、簡潔にまとめます。


「もしかしたらこれは松尾さんご自身の自叙伝なのでは?」と微かに思いめぐらせつつ読み始めた本作、『永遠の仮眠』。。

常に何かと正面から向き合って抗って、(自分とも周りとも)折り合いをつけていく、大切なものを見極めて、それ故、変化して(させて)ゆく。そんな生き方を選択する、という事は、"永遠の仮眠"、文字通りそういう事だと思う。

プロ意識"とか"職人魂"とか端的な、常在する何かお決まりな一言では形容し難い、それをも超越するものを感じた。


心の隅の、今まで自分の中で釈然とせず霧がかっていたものが、著の"言の葉の調べ"により晴れかかり、幾度の深い頷きと溜め息とともに、腑に落ちた気がする。

単な業界の裏の話ならず。

個々の守るもの。「真の敵」。"+"に転じさせる変化。…そしてその源。終着地。

憚りながら、少なからず己と重なる本作、衝撃だった。


p.s. 読み進めるうち、まるで僕もこの人生の空間に少しだけ寄り添えたかのような、素敵な時間と熱と、肯定感をありがとうございました。いまだ余韻と興奮冷めやらず。。

奥様の紗和さんが、この後もどうかずっと、お元気であられますように。。♪



-'21/新潮社-

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