手紙がもたらした新たな出会い

昨夜 馴染みのお店の女性が誕生日ということで 手紙を一筆したためて 渡そうと考えていた。
午前中に 海を散歩しながら いつも通り フォルダーに収める。
そのあと 好きな音楽を聴きながら 早速 取り掛かる。
下書きはしたものの 途中で 何度か 失敗してしまい 苦節を乗り越え なんとか 書き終える。
そして 日を跨ぐ 30分ほど前に お店を訪れた。

「いらっしゃいませ~。」

今日は フルキャストでの お出迎えで それだけで ドキドキした。
ここのキャスト達とは 何でも話す仲なので 自分の今日の予算を伝えると 協力してくれる。
だから 私は 安心して 飲める。
手紙を渡したい女性は 忙しそうだったので 他のキャストと 他愛ない話に 花を咲かせる。
しばらくすると 隣のカウンターに座っていた 他国籍の男性が 声を掛けてくれたので 拙い英語とボディランゲージを駆使して やりとりをした。
その男性は エンジニアとして 日本だけではなく 様々な国を 行き来しているとのことだった。
どうやら ニュージーランドの方みたいで『今 むこうは冬なんですよ』と教えてくれた。
気さくな笑顔のステキな方で 初対面だったのに 連絡先を交換した。
そして 彼から 教えられた。
例え お互いの言葉が 完全には 理解できなかったとしても 伝えたい気持ち1つあれば 必ず伝わるものなのだと。
ものの三時間という 決して長くはない時間を供にしただけで 私は 彼のことが 大好きになった。
さてさて 時間を少し巻き戻そう。
誕生日を迎える女性の手が空いたタイミングで 手紙を無事渡せた。

「手紙書いてきた。 後で 読んでみて。」

「ありがとう。」

彼女は 笑顔で受け取ってくれた。
手紙の内容は 皆様のご想像にお任せしようと思う。
手紙を渡せたら ラッキーくらいに思っていた私にとって 昨夜は 濃い内容の1ページになってしまった。
出会いとは いつも 突然だ。
そして それを必然と捉えるか 偶然と捉えるかは その人次第なんだと思う。
こんな気持ちになれるなら これからも精一杯 生きていきたいと願うばかりだ。

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