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INI「THE FRAME」- 僕らを囲う枠を壊す -

 INIの6枚目のシングル「THE FRAME」。
 表題曲「LOUD」のMVは【僕らを囲う“THE FRAME”を壊す】をコンセプトに撮影された。

 MVの冒頭では、コンピュータールーム・制御室・実験室のような場所でヘッドフォンを装着するメンバーの姿が映し出される。
 これは「実験室に閉じ込められ、洗脳されかけている」様子を意味している。

 彼らを閉じ込め、洗脳する目的は何だろう。

 様々な考察を目にしつつ考える中、リリース当日のXにはメンバーが描き、デザインしたこちらの画像が公開された。

「PERFECT IDOL」
 その文字の上に描かれた力強い「NO!」は拒絶を意味し、箱から抜け出した者がいることもわかる。

 パーフェクト・アイドル=完璧なアイドルとして、品物のように並ぶメンバーたちのイラストを見たとき、「洗脳」の意味に気付いた。

 ――彼らは量産される「完璧なアイドル」の素材になる運命から逃げ出した。
 このイラストとMVからはそんな物語も想像できる。

 皮肉や風刺と捉えることもできるけれど、何よりこれが彼らの決意表明であるのだと思う。



「THE FRAME」と「完璧なアイドル」。

 この2つの言葉からは、「アイドル」というものに対する世間一般のイメージが「枠=FRAME」として存在している現実を思い出させる。
「アイドルなんだから」とは、よく耳に、目にする言葉だ。

 応援しているアイドルに対して、「彼は、彼女は完璧なアイドル」「天才アイドル」と表現するファンは少なくないと思う。
 ファンはアイドルに「自覚」や「理想」を求め、多くのアイドルはそれらに近づこうと努力してくれる。

 そしてアイドル自身が目指すものと、ファンの理想像が合致したとき、強烈な化学反応が起きることは確かだ。

 そんな理想通りのアイドルを「洗脳によって作り出す」となればどうだろうか。
 理想像を体現した完璧なアイドルを取り揃えて作られたグループは、爆発的に売れるだろう。
「LOUD」のMVは、そんな空想の夢物語を描いたMVだった。

「完璧なアイドルを製造する」何者かの理想に「NO!」を叩きつけたINIは、強固な施設を破壊し、脱走し、新たな世界へ向かっていく。

 彼らは言われるがまま会社や誰かの理想像になるのではなく、彼ら自身の意志で、彼らが思い描く存在になっていくのだ。


 そのストーリーは、MV内だけでは終わらない。

 THE FRAMEの活動期間中、INIが壊そうとしてきた「枠」は、これまで彼らに対して抱いていたイメージや偏見からの脱却だけでなく、「お決まりのパターン」を破るものでもあった。

 MINIが「今期はないのかも?」やきもきしていたMカの出演は、リリースから少し経った時期に行われた。それに加え、韓国の歌番組であるミューバン、ウマチュンにも初出演。

 国内の番組出演も、印象的なものがいくつもあった。
 千鳥の鬼レンチャン、Mステ、バトルで披露した「勝手にシンドバッド」が話題になった大型歌番組、番組じゃないけどTHE FIRST TAKEも。

 そして、何といってもフェス。
 今年4月から8月まで、多くのフェスに出演したINIは、今までにない姿をたくさん見せてくれた。

 JAPAN JAM、METROCK、ROCK IN JAPAN、SUMMER SONIC大阪、東京。
 半分(もしくはそれ以上に)アウェーとも言える場所で、新しい見せ方に挑戦するINIの姿があった。

 フェスに出ることに対して、「アイドルが?」という意見は相変わらず多い。
 けれど当たり前にあるそんな偏見や色眼鏡を、INIが彼ら自身の力ではねのけていると実感することも多かった。

 11人が向上心と探求心を持って、常に攻めの姿勢でステージに立っていると感じたのは私だけではないはず。

 セットリストも様々。
 ハンドマイクの導入。4本から8本、それが11本に。
 サマソニでは今期の集大成とも言わんばかりの、生バンド編成でのパフォーマンス。大夢のギター演奏もあった。

 これらはまさに、今まで彼らが積み上げてきたINIのイメージ、枠を壊していた。
「こんなこともやっちゃうの!?」「こんなこともできたの!?」
「いつ準備したの!?」と、長く彼らを応援してきたMINIでも、驚き、興奮、感動を覚えたひとが多かったのでは。

 歌唱力であったり、ビジュアルであったり。もちろんダンスも、MINIとの一体感も、初めて見たひとの好意的な意見を見るのが毎度楽しみだった。
「次にあのフェスで見れるならまた見てみよう」
 そんな嬉しいポストまであり、喜びや誇らしさを嚙みしめていた。

 結成からたった3年とはいえ、これまで彼らが培ってきたものは多くある。
 フェスという場面で、それらをただ披露するだけでなく、試行錯誤し、様々な見せ方を模索できるだけのアイディアやパワー、実行力を持って枠を壊し、INIのいちばんの理解者であるMINIまで驚かせる。

 インスタグラムのリールで公開されたSTAGE DIGESTを見て、彼らの深々とした相変わらずのお辞儀に感心する。
 素晴らしいグループに出会えた実感と、彼らを応援できていることの喜びと多幸感を噛みしめる瞬間だった。



 「THE FRAME」の活動期間を通して、また新しい姿を見せてくれたINI。

 いつか彼らが口にした、「信じてついてきてほしい」という言葉の意味を噛みしめていた。

 これから先もまた、誰かが決めた「INI」「アイドル」のイメージや、これまでにあった枠を壊していくための挑戦を続けていくのなら、きっと壁や困難にぶつかることもあるだろう。

 サマソニでのパフォーマンスに多くのMINIが震えていたように、INIのどんな挑戦に対しても「いいぞ、もっとやれ!」と言わんばかりに、彼らを盛り上げ、背中を押すMINIの存在は本当に心強いと思う。

「応援する」ことはもちろん、「推しを信じる」って簡単なことではない。
 だからこそ、INIとMINIの絆を実感するとき、今までの推し活で経験したことのない温かさや感動を覚えることがある。

 THE FRAME期を通して特に印象深く、嬉しかったのが「広告」だ。

 7月9日、INIがXに1日中掲載される広告を出した。
 続いて、7月19日には全国紙に新聞広告を掲載。
 それらはCD発売に合わせた宣伝ではなく、週間売上等の結果が出た後で、ただただMINIへ感謝の言葉を伝えるためのものだった。

「いつも応援してくれるMINIの皆様へ感謝のメッセージが掲載されています。」
 編集部公式から出されたこの文章だけでも、MINIがどれだけINIに愛されているかが伝わってくる。

 そして掲載文には、こうも書いてある。
「困難に立ち向かう意志と勇気があれば、僕たちとMINIの絆で乗り越えられる。」

 INIとMINIって本当に素敵な関係で、いつも「ありがとう」「INIのおかげ」「MINIのおかげ」を言い合ってる。
 当たり前のことかもしれないけど、そんな当たり前を当たり前にやっていることが、何より素晴らしい。

 こんな日々がこれからも続いていきますように
 INIもMINIも大好きだよー。


 最後に。
 THE FRAME期の活動期間終了の報告から2時間後に投稿されたこちら。

 チームINIandMINI、次のカムバも楽しもう~!

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