親知らずぜんぶ抜く【前編】
こんにちは、Otomoです。
前回、山を歩くのが好きなのでそういった記事が多くなると言っておきながら、最初は親知らず抜いたときのことを書こうと思います。
なぜこんなことを書こうと思ったのかというと、どういうわけか当時のことを細かく記録していたので書きやすいと思ったからです。
人生で初めて虫歯になる
社会人として働き始めてしばらく経った頃、時々全体的に歯が浮くような感覚が現れるようになった。リンゴやキウイを食べたときに感じるあれだ。(感じない人もいるらしいが)
何も食べていないのに歯が浮くような感覚になるのは初めてだったが、ストレスで現れることもあるらしく、普段から奥歯を噛みしめてしまう癖もあったので、あまり気にしていなかった。歯が浮いているときに噛みしめることでかゆみが取れるような感覚が心地よかった。
その後、仕事を辞めてワーキングホリデーで1年間ニュージーランドへ行くことを決めた私は、念のため一度歯医者に行って診てもらうことにした。もし海外で歯の治療を受けることになると高額になってしまうからだ。一人暮らしを始めてから歯医者へ行くのはこれが初めてだった。
結果、虫歯だった。上の親知らずが左右どちらも虫歯になっていた。
医者から言われたときはかなりショックだった。これまでの人生で虫歯になったことは一度もなく、小学生のときには良い歯のコンクールで学校代表になったこともあった。磨き方に特に注意して歯磨きをしているわけでもないのに虫歯にならなかったので、自分の口の中には虫歯菌がいないのでは、とさえ思っていた。
また、虫歯になったらもっと痛むものだと思っていた。歯が浮くような感覚はあったものの、痛みは全くなかった。レントゲン写真を見て黒くなっていると言われたが、正直他の歯との違いがよく分からず、本当に虫歯なのか疑っていた。ちなみに親知らずが4本とも生えていることをこのとき初めて知った。(下の親知らずは埋伏歯だったが)
結局、抜歯するために近くの大学病院に紹介状を書いてもらうことになった。
手術の決定と術前検査
約2週間後、大学病院へ行って口腔外科で診察を受け、レントゲンを撮った。最初の診察はベテランぽい女性の先生で、次の診察は若くて自信なさそうな男性の先生だった。私は持病があり、迷走神経反射で失神したこともあると話したら、大事をとって部分麻酔ではなく全身麻酔で抜歯しましょうということになった。また、全身麻酔をするなら虫歯にはなっていない下の親知らずもついでに抜いてしまいましょうと言われた。今は問題なくても将来悪さをする可能性があり、若いときの方が抜きやすいからだそうだ。こちらとしても、もし海外にいる間に下の親知らずも虫歯になったら困るし、将来もう一度麻酔をして抜歯するのも嫌なので、その提案に同意した。
こうして、全身麻酔で親知らずを一度に4本全部抜くというとんでもない手術をすることが決まった。
しかし、他の患者さんの手術の予定もあるため、私が実際に手術を受けるのはここから約2か月半後となった。約1か月半前の術前検査では、心電図とレントゲンを撮り、採血と採尿を行った。
約3週間前には、麻酔科での診察と、口腔外科での手術説明があった。麻酔科では問診票を書いた後、全身麻酔の説明動画を見た。やはり鼻から管を入れるらしく少し不安になった。その後、医師からの説明を受け、同意書に署名をした。しっかりした女性の先生で、ペンを滑らして落としたときにすごい謝ってくれた。
口腔外科でも、医師から簡単な説明を受けた後、同意書に署名をした。実際に手術を担当するという若い男性の先生で、職場の同期に似ていた。
最後にCT検査を受け、手術日直前に提出するPCR検査の容器を受け取った。
手術の前の静けさ
術前検査が終わっても、手術日まではまだ日数があった。標高の高いところへ行くと歯が痛むと思い、虫歯が発覚してからは山に登るのを控えていた。しかしどうしても山に行きたくなり、恐る恐る標高1,500mほどの丹沢山地に歩きに行ってみたが、歯の痛みは全くなかった。
歯が浮いて少し痛むような感覚は、最初歯医者に行ったときがピークだった。その後、特に治療をしたり薬を飲んだりすることもなく、それまでと同じように生活していたが、冷たいものを口にすると全体的にしみる程度で、親知らずが特別痛むようなこともなかった。
一応甘いものは絶っていたが、手術の2週間前くらいからは今更と思い普通に食べていた。結局本当に虫歯なのか、最後まで完全には信じていなかった。
いよいよ手術日当日を迎えるわけですが、当日になるほど事細かに記録していて長くなりそうなので、ここで一旦区切ります。まだnoteを始めたばかりだというのにいっちょまえに前後編に分けてみます。