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ナラタージュ

Title:ナラタージュ
著者:島本理生
出版社:角川文庫
感想を書いた日: 2023-03-19

# あらすじ
高校時代に救ってくれた演劇部の顧問の先生との恋。次の恋に踏み出すつもりがどうしても忘れられない。不思議な縁でまたあの人を思い出してしまう…。

# 感想
島本理生さんの恋愛小説としてかなり高い評価もあっただけに期待MAXで読み進めるが、うわっ出た、先生と生徒もの。自分が苦手な世界観で、なかなか読み進める事が出来なかったのが正直な感想です。

どうしても葉山先生の視点になれないため、感情移入出来ずに物語を楽しめない。私の学生時代、恋愛経験から間違いなく感情移入出来るのは小野くんで、小野くんと同じように振る舞う、振る舞ったつもりになって、こんなに泉を苦しめることになってしまうことに恐怖を感じる。恋愛のもどかしさなんて甘い表現は適切でない。辛すぎる。気持ちが無いのに小野くんに抱かれる泉の心境が赤裸々に書かれているのは、小野くんになりきっている自分としては辛すぎます。泣

小説としては後輩の柚子の事件で一気に気持ちがぶん殴られるほど落ち込む。エピローグで葉山先生の友人と偶然出会い、また葉山先生を思い出すことになるあたりは物語を面白くする術を、ツボを心得てるなぁと感心しました。

冒頭のプロローグを改めて読み返すと、葉山先生の思い出ごと受け止めてくれる彼氏と新しい生活が始まる様子。泉が幸せに、普通の恋が出来ることを陰ながらお祈りしています。

何でしょう、自分の高校生活を振り返ると恋愛面に関しては、全く持って不満だらけ(笑)、納得感が無い、やり残した感が強すぎて、同級生が先生に恋をしていた話が本当に嫌いで、気持ち悪いし、おかしいよ先生ってなってしまいます。まぁ実際に問題があったと言う噂の先生もいれば、先生と結婚した同級生もいる訳でして、所詮先生も人間なんだと言うことを理解するのが中々難しいのです。はい。

何と本作、映画にもなっているそうで有村架純ちゃんと松本純が主演。印象変わるかなぁと思って視聴してみますが、暗い演技がやっぱり気持ち悪い感を醸し出し、楽しめないなぁと途中で断念。
私自身の高校時代の価値観がもう少し変化してから小説も映画も再トライしてみます。せっかく覚え易い登場人物の名前だったのに残念!笑

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