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7 days to end with you

最近の私のカルチャーソースは、散歩しながら聴いているアフター6ジャンクション、通称アトロク。各曜日パートナー毎に得意分野に特色があり、木曜日宇内梨沙アナは筋金入りのゲーマーらしく、ゲームの話題多め。全くゲームに興味がない私は、ぶっちゃけ木曜日とは疎遠である。しかしたまたま先週末、木曜日の番組を聞いていたところ、インディーゲーム特集で、7 days to end with youが紹介された。新しいジャンルのパズル、アドベンチャーゲームに興味がわき、速攻で購入し、プレイしたところ衝撃的な面白さ。丸一週間通勤電車の中で、いや今週は出張もあったので、出張の移動中やホテルでも必死になってやり込んでしまった。そんなこのゲームの魅力について記録しておきたい。勿論ネタバレ全開なのでお気を付けて。

先ずはドット絵のかわいいお姉さんが登場する。まぁ男性なら食いつき易い一方で、公共の場でおっさんがプレイするのはちと痛過ぎる。でもこのキャラしか出て来ないので、このキャラの魅力がいかに重要か。このお姉さんと会話したい、通じたいと言う想いがこのゲームの全てです。

ゲームは記憶を無くしたらしい主人公になって、理解出来ない言葉を話すお姉さんとコミュニケーションを取ることを楽しむゲーム。記憶も無くしているために、目の前のお姉さんとの関係性もわからない。自分の感覚を研ぎ澄まして、彼女が発する言葉、表情から単語のニュアンスを推測する。何だこの感覚は?まるで言葉がわからないままヨーロッパを旅して、綺麗なお姉さんと身振り手振りで会話しようとした、正にあの感覚じゃない無いですか。こんなに興奮するのは、リアルな異文化コミュニケーションと合い通ずるものがあるからだ。語学を覚える近道は恋人を作ることだと言うのが改めて思い出される。1stプレイで衝撃的な最後を迎える。彼女が涙ながらに発する言葉の半分も理解出来ていない。彼女からの問いかけに対して、明らかに検討違いの返事をしているのであろう、中断される会話。そもそも何故自分が、彼女の首を締めているのか理解出来ない…。そこから彼女との会話を少しでも深く理解するための努力が始まる。

何度もプレイするうちに何となく二人の関係性や会話に使われる単語のニュアンスがある程度推定出来るようになった。このジャンルのゲームが新感覚でメッチャ面白かった。さて自分が習得中の新言語について答え合わせがしたい。彼女との会話はどの程度通じ合っているのか確認したい。と言うことでゲームは第二ステージに突入する。

最初はカレンダーから数字を理解し始め、一緒に部屋をまわる彼女の教えてくれる言葉から、新言語のニュアンスを推測するのが第一ステージ。第二ステージは暗号解読に夢中になる。単語の並びは英語で構成されているのはわかるが規則性が読めない。最初はアルファベットと新言語を紙に書き出していた。どうも対応する位置がコロコロと変化するので、アルファベット、新言語を番号で整理し始める。実験室にあったパスワード装置で新言語のナンバリングは完全に把握出来た。それを手がかりに新言語を英単語に置き換えていく作業に没頭した。ここは完全に作業である。電車の中で、バスの中で(老眼のため)メガネを外して、一生懸命にクロスワードを解く感覚で英単語を引き当てて行く。これは睡眠時間が削られていく作業で辛い。笑。もっと効率的に解読するために、何かプログラム的なものを組もうかと思い始めるが、ググってみるとやはり先駆者がいる。凄いんですよ。新言語をアルファベットで入力して行くと、自動的に正確に変換された英単語を表示してくれる…だけじゃ無い!アルファベットでは無く、直接新言語の絵文字をクリックする事でも、正確に変換された英単語を表示してくれるホームページがあった。これで自分の推理を答え合わせして行けるのだ。やっぱり勘違いしている重要ワードもあったりして、二人の会話の輪郭がよりはっきりして来た。あぁこれで二人の会話は理解出来たが、あまりにも正確に英単語に置き換えるパズルゲームになってしまったのが残念、何も勝手がわからず第一ステージで感じていた新言語習得ゲーム要素が懐かしい、あの頃に戻りたい!二人の会話をエモく感じ直したい!と言う事で第三ステージ突入。

英語では無く、自分が感じる日本語に変換し直して行くことに夢中になる。少しでも二人の会話のニュアンスを豊かにするために使う言葉を慎重に選んで入力して行く。ゲーム初期に使われる単語をノリで楽しい感じの言葉に変換してしまうと、ゲーム後半では重いセリフの所が、妙に軽い言葉になってしまいしっくり来ない。やはり最終的にはエンディングをイメージした言葉遣いで、二人の会話を楽しんだ。これって翻訳家の作業イメージですよね。第三の言語を英語辞書を活用して荒訳を作ってから日本語で楽しむために細かい調整が入る作業、楽しみと同種であろう。知らんけど。笑。

このゲーム実行中は、現実社会の会話も、自分の意図がどこまで相手に伝わっているのかな?果たして相手の言いたいことをどの程度理解出来ているのかな?と意識しちゃいましたよ。我々技術者は専門分野の事象について、お客さまと共有する際には、お互いに通じ合うことが出来る共通言語に変換しながら説明することが大切です。そんなコミュニケーションの大切さ、面白さ、更には海外旅行気分を味わえた新感覚のゲームでした。超オススメです。自分の頭をリセットして、最初の予備知識が無いところからゲームを始めたいです。

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