フランス革命は一日してならず
佐藤賢一の『小説フランス革命』を図書館で借りては、せっせと読んでいる。一部がようやく読み終わったが、ミラボーは亡くなったものの未だルイ16世は健在であり、いやいやこんなに細かく歴史を振り返るなんて思いもしなかった。笑
読破してからフランス、パリを訪れると違った街の眺め方が出来たんだろうね。
第一部
『革命のライオン』
『バスティーユの陥落』
『聖者の戦い』
『議会の迷走』
『王の逃亡』
『フイヤン派の野望』
巧みな議会演出で、現実的な社会改革を推し進めるミラボー。外見とは裏腹に魅力的に表現されている。現代社会に於いても、声が大きく、多少芝居がかった弁をふるい、また卓回しが上手い人が、社会では役職的に上に立ち、皆が話を聞くようになり、自分の意見が通る事になる。
一方理想論ばかりをピーチクパーチク騒ぎ立てるロベスピエールみたいな人も世の中にはいて、確かに一定層の支持を得るのはわかるが、私は好きじゃない。笑。独裁政治に突っ走る臭いがプンプンして、一緒に生活していて楽しくない。
出来る先輩達に担がれて、一度はバスティーユ監獄を落とすところまで大衆を牽引するリーダーシップを見せたものの、自分の生活を守るため知人の活躍を横目に見ながら新聞記者生活に甘んじ、出来る男だと嫁にも勘違い?されながら生き延びるデムーラン。あぁ自分のキャラは、このデムーランって感じかな?
妻であるマリーアントワネットの浮気に怯える一方で、意外な?男気、決断力を見せるルイ16世。ヴァレンヌ逃亡事件では、自分も王家と一緒に逃亡している気分になりドキドキハラハラさせられた。口には出せないものの逃避行に失敗した理由としてフェルセンをこき下ろし、死や逮捕から解放されたルイがマリーと夜の営みを指折り数えるシーンなどは喜劇として面白かった。私の浅い知識では、王家はこの後処刑されるのだが、どうしてなかなか、ヴァレンヌ逃亡事件から連れ戻された後も、意外と権力を取り戻せそうな描写となっている。
マリーの処刑が終わったら読むのを止めようかと思っていたのだが、未だ先の話のようなので第二部突入です。こんなにたっぷりフランス革命の流れを追う事になるとは思っていなかったです。そう簡単にフランス革命がなされた訳では無いことを痛感しています。