ソール・ライター展。

先日、渋谷のBunkamuraでやってる「永遠のソール・ライター展」に行ってきました。

公式サイト:
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/20_saulleiter/
(本当は画像も貼りたかったんだけど、利用OKなものが見つからなかった…)

印象派の絵が好きで美術展にはよく行くんだけど、写真展ってあんまり行ったことなくて。でもチラシを見た時、何だか惹かれたのです。こういうのを思い立った時にさくっと見に行けちゃうから東京ってすごい街だなと思う。

沢山の白黒写真とカラー写真、ネガ。
ファッション誌のカメラマンとして仕事してた彼の、モデルさんたちのふとした表情を捉えた写真。ショーウィンドウに映る街、雨や雪の窓ガラス。車。セルフポートレート。急ぎ足の通行人、家族。
どれも何だか被写体への愛おしさがぎゅっと詰まっていて、少し切なさもこもってるんだけど、雨や雪の写真すらあったかいような。
1枚1枚眺めてたらあっという間に時間経っちゃってて、慌てて写真展に合わせて上映されてた彼のドキュメンタリー映画を観に行きました。
亡くなる数年前に撮られたドキュメンタリーの中の彼は、ちょっと頑固で皮肉屋なおじいちゃんだった。ずーっと「自分のことなんか映画にして何が面白いんだ」ってぼやいてるの。笑
ふらっと近所を散歩して、興味を引かれたらカメラを向ける。

実は、私はニューヨークが好きじゃなくて。うるさいし人が多すぎるし、良くも悪くも「生」のエネルギーが強くて、その気にあてられちゃう。私にとってニューヨークは、その時々の目的(ブロードウェイが観たいとかあのベーグルサンドが食べたいとか)を果たすために行く場所だった。
でもソールの切り取ったそれは、私の知らないニューヨークだった。私が通り過ぎた一瞬の景色を、彼は丁寧に眺めてた。
きっと、日常に飽きることなんて無い人だったんだと思う。何でもないように見えるものほど楽しかったんじゃないかな。映画の中でも、「有名人を撮るより、雨粒に覆われた窓ガラスの方がよっぽど面白い」「写真に適さないものなんて無い。生活全てが写真になる」って言ってた。
そんな感性を身につけたい、と思った。
彼曰く「ライター家は優しさを知らない」って中で育ったらしいのに、どうして彼の写真はあんなに優しくみえたんだろうな。その日常への愛とか好奇心が滲んでたのかな。

見終わった後、ポストカードも何枚か買っちゃった。しばらく余韻に浸ろう。

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