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先日X(旧Twitter)で見かけた画像。一見難しそうですが…


第1項目は奇関数になっており、積分値は0。第2項目は$${\cos\theta = \frac{x}{2}}$$と変数変換し、さらに倍角の公式$${\cos2\theta=2\cos^2\theta-1}$$を使うと、$${\frac{1}{2}\int_{-2}^{2} \sqrt{4-x^2}dx = 2\int_{-\frac{\pi}{2}} ^\frac{\pi}{2}\cos^2\theta d\theta=\int_{-\frac{\pi}{2}} ^\frac{\pi}{2}(1+\cos2\theta)d\theta=\pi}$$
となるので、パスワードは3141592653となります。積分計算になれた人であれば暗算で答えまで導けるのではないでしょうか。もしくは$${\sqrt{4-x^2}}$$は半径2の円(の上側半分)を表す関数ですので、その面積(半円の面積)は$${2\pi}$$、その半分で答えは$${\pi}$$、と考えれば積分計算も必要ありませんね。

上の問題のように、非積分関数に$${\sqrt{a^2-x^2}}$$が含まれる場合、三角関数に変数変換して根号を消してしまうのが常套手段ですが、$${\sqrt{a^2+x^2}}$$の場合、
例えば$${\int\sqrt{1+x^2}dx}$$
はどう解けばよいでしょうか。$${1+\tan^2\theta=\frac{1}{\cos^2\theta}}$$ですので、$${x=\tan\theta}$$と変数変換して根号を消しても解けるのですが、その後の変形が少しテクニカルになります。それよりも、$${y=\sqrt{1+x^2}}$$が双曲線(の上半分)を表す関数であることに着目し、双曲線関数を使って$${x=\sinh\theta}$$と変数変換し、$${\int\sqrt{1+x^2}dx=\int\cosh^2\theta d\theta=\frac{1}{2}\int(1+\cosh2\theta)d\theta=\frac{1}{4}(2\theta+\sinh 2 \theta)}$$
と解く方が簡単です。(変数を$${x}$$に戻す作業は割愛。双曲線関数については、また別の記事で書こうと思います。)非積分関数がどんな曲線を表すのか意識をしておくと良いのではないでしょうか、というお話でした。


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