雑感戯言

国立大学の授業料が引き上げられる方向に進んでいるようですね。東大が引き上げを検討しているとの報道が先日なされましたが、フラッグシップの東大の動きは、他の大学にも波及して行くだろう。

ネットの報道で、トイレの改修費がなくクラウドファンディングで目標額300万円を調達しようとしている金沢大学、学生の練習用ピアノ5台を24万円で売却した東京芸術大学…、等々を見ました。驚きました。

お金が無ければ授業料を文科省令に定める上限の2割引き上げをしても仕方がない様に思えます。

去る3月、文科省の審議会で、慶應義塾長が、国立大学授業料を私大並みの約150万円に引き上げることを提案したとのこと。大学教育の質を上げていくためには、公平な競争環境を整えることが必要だからだそうです。

公平とは何か?国立大学の授業料が私大の3分の1なので、優秀な学生は国立大に行ってしまう傾向にあり、競争原理が働かないことを指しているのか?
公平な競争環境とは何か?国立大学運営費交付金のことを指しているのか?国立大学の学費を私立大学の学費と同程度にするとどうなるのか?今ひとつわかりません。私立大学補助金を1番貰っている早稲田大学の補助金額と国立大学運営費交付金を1番貰っている東京大学の金額とは確かに桁が違います。授業料を引き上げ、交付金を引き下げるべきとの発言なのでしょうか?教育の質とは何か?

データによると、国立大と私大の学費は

昭和50年
国立    36,000円
私立    182,677円
大卒初任給 89,300円

令和3年
国立    535,800円
私立    930.943円
大卒初任給 225,400円

単なる数字の羅列ですが、国立大学の学費の伸びが激しいような気がします。

国立大学は安い学費で勉強ができることが魅力なのは確かです。特に理系学部、とりわけ医学部歯学部の差が国立と私立では差が顕著ですね。でも国立のお得感は相対的に下がっている様な気がします。

所謂大学改革によって日本の研究力が低下した、との論調が多くあり、確かに時期的に引用論文数の推移を見ると相関関係はありそうです。国立大学がお金に汲々として芸大がピアノを売るなんて、そりゃ研究レベルは下がりますよね。

経済的に厳しい家庭環境でも志がある子どもがしっかり学べる様に奨学金制度を拡充したり、無料塾の運営費を補助したり、アメリカの様に大学への寄付金が集まる仕組み、例えば税制を見直すなど、国ができることは色々あると思います。お金の使い方、流れ方の変革を国に望みます。

大学の存在意義はなんですかね?
大学に入って授業で分数の計算をする様な事はいただけませんね。大学は学問をする場です。分数の計算が学問でないとは言いませんが、やっぱりねぇ。大学経営の名の下に、兎に角学生をかき集めて、後は知らないみたいな大学は淘汰されても良いのでは?

それにしても、大学入学が一旦のゴールで、有名難関大学に入れば学部なんてどこでも良い、これで就職は一安心みたいな風潮はなんとかならないですかね?

理系は人気で法学部は不人気。

なんじゃそりゃ?

私は法学部出身ですが、法学部は何を勉強する学部かわかっていない人たちが多数なのでは?それは、わかっていない人たちが悪いのではなく、わかってもらおうとする努力が大学側に足りないし、何なら一言で説明できるものでもない。他の学部も同様。なのに偏差値、大学群などで受験生を煽る学歴厨ども。

若い人たちが一度きりの人生を目的と希望を持って歩めるよう、初等教育の時から国は真剣に30年スパンで教育改革を進めてほしい。暗記中心の大学入試から決別し、子どもたちが自らの能力適性を最大限に活かせるよう、気がつくよう、あらゆる手段を国は講じてほしい。既成概念、しがらみに囚われずに。

このままでは絶対に日本はマズイと思う。


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