App Permissions について思うこと
先日、Google I/Oがサンフランシスコで開かれ、日本時間では例のごとく夜中にライブ中継された。
わたしはKenoteの途中で早々にソファで寝てしまったがw
■App Permissions
Keynoteでかろうじて起きて聞いていたApp Permissionsの項だが、この感想は、「あーーiOSと同じになってしまったかー」だった。
以前いろいろと考えてしまったことがあったからだ。
App Permissionsとは
App Permissionsとは、アプリをダウンロードしてインストールするときに、デバイス内のこの機能を使うよーというのを明示するもの。
たとえばカメラアプリであればカメラにアクセスしてもよいか、連絡帳のデータを使うなら連絡帳にアクセスしてもよいか、インターネット使うなら接続してもよいか、といった許可を求めるあれだ。
Androidは今まで、インストール時にこれらの許可を一括で求めていた。
そのため、プライバシーに敏感な一般ユーザーは、「あーこのアプリ、連絡帳のデータ使うのかー。情報とられたらイヤだからインストールするのやーめよ」と思い、インストールするのをそこでやめることが多かったという。
しかし、それに対して対策をしているサービスもあって、上記スクリーンショットのUberもそのひとつだ。
AndroidのApp Permissionsについて、ページを割いてすべての意味を説明している。
Uber - Android App Permissions
ここまでしてあると、さすがに安心だろうという気持ちはユーザーに伝えられそうだ。
どう変更される?
これがインストール時ではなく、インストールしたあと、しかも「アプリを使っていて、その機能を使う前」に変更される。
(iOSは初期の頃からそうなっている)
つまり、インストール前には許可を求められないものの、使っている最中にいちいち出てくるようになるわけだ。
たとえばカメラアプリをダウンロードして最初に使うとき、チュートリアルなどを経てカメラを立ち上げようとするわけだが、そのカメラを立ち上げようとしたときにどんっと許可を求めるダイアログが出るわけだ。
一般ユーザーにとっては、こうすることによってインストール時の障壁はなくなり、インストールしやすくなるかもしれない。
しかし、問題なのはそのあとだ。
インストール数はあがっても、途中で何かをするたびに許可を求めるダイアログがボンボン出ていちいち許可をしないと使えない。(ちなみに拒否するとその機能が使えないので、実質そのアプリは使えないことになる)
変更後に懸念されること
以前この件で、iPhoneを使いはじめた友達(非IT系)が、ヘルプサインを出していたことがある。
「iPhoneでアプリ入れても、なんだかよくわからない警告がたくさん出て、こわいから全部『いいえ』にしていたら、ぜんぜん使えないんだけど!」と憤慨していたのだ。
あーーたしかにいちいち出てくるしうざいだろうなと思ったが、画面を見て「あー」と思った。
うーん意味はわかるよ、意味は。
でもこれ、インストール前に一括で許可を求められていやだなぁ〜と思うのといっしょじゃない?w
しかも、初回起動時にはいろいろな機能を利用しないといけないので、こういった「◯◯を利用します。よろしいですか?」というダイアログがいくつも重なって出てくる。
リテラシーの低いユーザーは、「◯◯を」というところはおそらく見ていない。「利用します。よろしいですか?」という部分だけを見て、きゃーこわーいとなるのだろう。
もうひとつ思うのは、「許可」という日本語もよくないのではないだろうかということ。
心理的に重い。また、リテラシーの低いユーザーほど機械オンチだ。機械オンチな人ほど、機械に対してなにかよくわからないもの許可してしまったらこわれるんじゃないか!?という不安感が強い。
せめて…
「このアプリは、アプリ内での便利さを向上するためにあなたの現在いる位置を測定しますがいいですか?【いまはやめておく】【OK】」
ぐらい口語的にしたほうがユーザー体験的にはいいのではないかと思うのである。
実際には、ここを開発者がカスタマイズできるようになるといろいろと問題があると思うのでできないと思うが、なんというか、Appleさんもうちょっとそのへんも考えてくれよ。
いやーしかし、AndroidもMが出始めるときっとこれと同じ道をたどるので、ステキな許可を求める文になることを祈りたい。
どこで許可を求めるのがいいのか?
正直これは実際の数字をみて検証しないとわからないだろうと思う。
どちらも一長一短あるからだ。
今回の変更によって容易に想像できることは、
・インストール時のパーミッション許可の障壁はなくなるので、インストール数は上がる
・ただし、インストールはしたもののうまく使えない人が増えてリテンション率が上がる
ということだ。
まあこれには従わなければならないし、どうしようもない。
わたしたちができることは、許可を求めることをどれだけわかりやすくユーザーに伝えられるかを考えることかなー。
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