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「カルカッシで学ぶ音楽表現」のDVDについて

DVD完結!

M'sカンティーナさんでのDVDシリーズの第二弾「カルカッシで学ぶ音楽表現」が全6巻で完結いたしました。

本編5巻とおまけの第6巻目。第6巻目を買うと全6枚が収録できるケースが付いてきます。

M'sカンティーナさんでは2020年のコロナ禍スタートした時に、何かアーティスト側とライブハウス(M'sカンティーナ)さん側でお互いの収益になることやれないかなあーということで、まずは「クラシックギター奏法伝授」というシリーズを作りました。これも全6巻で完結。

noteにも記事書きました。

2021年もまだまだコロナ禍だねえーってことで、何かありませんかね?というM'sカンティーナさんの打診があり、ならカルカッシのエチュードでやってみようと。

カルカッシでギターに挫折

カルカッシというとクラシックギター界では有名。とはいえ、子供の頃にクラシックギターでギターという楽器を始めた人の中には「カルカッシ教本でギターが嫌になった」という人も多い。

カルカッシ教本として日本で最も知られているのは溝渕先生編のこれである。

この教本は作品番号Op.59となっている。第3部は「漸進的な50のエチュード」となっており、それはまさにカルカッシの古典派ギタリストとしての集大成というべき作品。そのことについては後述しよう。

実際、第一部や第二部はひたすら基礎的な事項のてんこ盛りである。これではギターを弾いてみたいという人には苦痛かもしれない。とにかく分量がある…この辺りが不人気であった理由だと思う。実際、うまく使っていけば、クラシックギターのための読譜力と語法への適応能力はしっかりと身に付けることができる。その意味で道具は使いよう・・・というべき教材。

第3部「50の漸進的な小品集」の素晴らしさ!

カルカッシのOp.59はありがたいことに現代ギター社より原典版が最近出版された。

2020年自粛期間中に、これを結構研究した。特に第3部の「50の漸進的な小品集」は素晴らしかった。原典と溝渕版の違いなども詳細に研究してみた。そしてたまたまオンラインでの入門生が「音楽の根本から学んでみたい。何か良い教材はないか?」ということだったので、レッスンに使った。たまたまそういう生徒さんが何名かいたので、生徒たちのレッスンで使ってみて、この第3部の小品集の音楽的な価値を再発見。

古典作曲家としてのオーソドックスさとイタリア人”カルカッシ”

オーソドックス。カルカッシの「50の漸進的な小品集」を眺めていて思うのはこのことである。作曲の仕方はしっかりとモチーフを活かしつつ、フレーズとの兼ね合いも絶妙。低音や内声の進行も彼の時代の先輩にあたるソルとは比較にはならないとしても繊細でリズミック。和声の扱いも丁寧である。

もう一つ、気づいたのはイタリア人的な「旋律センスの良さ」。モチーフを活かしつつ、バリエーションを作っていったとしても”歌心”を忘れない。

”歌ごころ”というと、好き勝手な鼻歌的なものを想像する人もいるかもしれないが、とてもロジカルなものだ。そして、その遺伝子がやはり名旋律を生む国であるイタリア出身のカルカッシの血にも流れているのだ。

カルカッシはソルの後、パリで最も人気のあるギタリストであった。その音楽の中にオペラティックな”歌”があり、オーケストレーションもしっかりとしていたからなのだ。

オーケストラを意識したスケールの大きさも実はカルカッシの特徴でもある。それかしっかりとOp.59の第3部「50の漸進的な小品集」の中に息づいている。

そして、Op.59第3部の良い演奏はないかなー?と探してみたが、国内演奏家では皆無であった。現時点でもYouTubeやCDなどでOp.59第3部の演奏をアップしているアマやプロはいるが、古典的な様式感を伴いつつもカルカッシのイタリア気質を匂わせる演奏には出会っていない。

表現を学ぶための教材として

Op.59「50の漸進的な小品集」は漸進的とうたっているだけに、最初は楽譜む読みやすく取り組みやすい。しかし、1番目の曲から10番あたりまでで、非和声音やモチーフやフレーズや拍節感など、音楽表現の古典的なルールは学べるようになっている。

実に古典的な作曲技法と和声を用いており、その意味ではカルカッシ25のエチュード(Op.60)よりも音楽表現としてはたくさんのケーススタディを学べて良い。

なので、DVDでテーマ毎に学んでいく内容としたのだ。以下のように基本となるテーマを決めた。

第1回:音階と音程
第2回:モチーフ
第3回:フレーズ
第4回:ビート感と拍節
第5回:リズム

まずはドレミってなに?・・・というところからスタート。そしてモチーフを探し、そこからフレーズについて学ぶ。そして拍について学ぶ。その後リズムについて。

どのテーマについてもほとんどの曲において何かを語ることができる。DVDの中では「実例」として数曲取り上げて説明している。

表現を作っていくためのツールを揃える

テーマ毎に分けたのは、たくさんのケーススタディを学ぶためでもある。まずはモチーフについて定義をする。そこからエチュードの中にあるモチーフをひたすら探していく。あ、ここはモチーフが変形されているね!とか、ここはモチーフを匂わせつつこっそりとアルペジオに入っているね!とか。

そういう説明の仕方をしながら、みている人に「表現を作っているためのツール」を持ってもらおうと思ったのだ。

あるエチュード一曲をひたすら色々な観点から見ていくと、頭の中で整理されないですからね。

道具は一つ持ったら、色々なものを作ってみることで、そのツールがどのように使えるかがわかってくる。最初からいろんな道具を持ちすぎるとどう使うかわからないうちに道具箱の中がぐっちゃぐっちゃになって、「あれ?この道具どう使うんだっけ?」ってなっちゃいますもんね!

なので、各巻毎にワンテーマ。

5巻までみると、5つの道具の基本的な使い方がわかる!という内容にしたかった。

DVDの内容

各巻の内容をここで紹介しておきましょう。

第1巻:音階と音程
1:音階とは?
2:シード
3:ファーミとトライトーン
4:変化記号としての♯と♭
5:旋律を考える
6:順次進行と跳躍進行
7:緊張と緩和
8:まとめ
第2巻:モチーフ
1:モチーフとは?
2:最小の音グループ
3:音形モチーフ
4:リズムモチーフ
5:モチーフの変形と前後の関係
6:モチーフを匂わせる
7:音程とモチーフ
8:まとめ~ひたすら探す
第3巻:フレーズ
1:フレーズとは?
2:フレーズの見つけ方
3:歌わせ方の基本
4:「112の法則」
5:ストーリー作り
6:他の要素との関連
7:フレーズを匂わせる
8:まとめ~物語を作る
第4巻:ビート感と拍節
1:ビート感とは?
2:拍節とは?
3:一拍目の扱い方
4:どこから動かすか?
5:ベースラインの拍節
6:柱を立てる
7:ビート感を敷延する
8:まとめ~総合的に考える
第5巻:リズム
1:リズムとは?
2:リズムと拍節
3:短長グループ
4:重なり合うリズム
5:拍節との関連
6:接着剤的要素
7:重層的に考える
8:まとめ~全てを一つに!

各巻毎に8つのチャプター。各チャプターが5分から6分程度。だいたいいずれの巻も50分程度の収録時間となってます。

ここにおまけの第6巻!

「俺ならこう弾く!」と題して、僕が好き勝手に弾いてます。10曲弾きました。弾いた後で、「ここはこういう感じでやるともっと面白かも!」とか言いながら。

購入いただいた方のブログ記事に詳細あります。ぜひどうぞー!

ちゃんとカルカッシを勉強したくなってきた人は・・・

ここまで読んできたら、DVD見たくなってきたでしょ?残念ながら一般店舗では売ってません。M'sカンティーナへの注文販売となります。メールフォームに必要事項をお書き込みいただいて注文ください。「カルカッシで学ぶ音楽表現の第3巻が欲しい」というのがわかればオッケーです。

(イベント予約フォームとなっておりますが、いい感じに勘案して描いてみてください。折り返し返信があるはずです!)

あ、もちろん、カルカッシきちんと習いたーい!という人は僕のところまでレッスン来てくださいね。オンラインでもオッケー。


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