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この令和の時代に人生で初めて格ゲーにはまったサラリーマン

◇はじまり

 2023年にSTREET FIGHTER6(以下、SF6)が発売されてから、ストリーマー等が大会を開き、多くの方が参戦するようになった。 
 2023年11月、にじさんじ所属で鮮烈なデビューを果たした100万人超のYoutubeチャンネル登録者を抱えるライバー壱百満天原サロメさんが、同じくにじさんじ所属ライバーの葛葉さん主催SF6大会『KZHCUP in STREET FIGHTER 6』に出場するために、大会に向けてSF6のコーチを受けるという配信をたまたま観た。ここで初めて格闘ゲームのプロゲーマーという存在を知った。

◇梅原大吾=壱百満天原サロメ嬢×板橋ザンギエフ

 このサロメさんのYouTube配信の中で、最初にサロメさんと顔合わせをしたのはチームリーダー役の『梅原大吾』さんという格闘ゲームのプロゲーマーの男性だった。この梅原さんという方を全く知らなかった私は、「格ゲーのプロ」と聞くと粗野で冷めた不愛想で怖いイメージを抱いていたが、不愛想ながらも品があり丁寧な人だなという印象を持った。サロメさんがザンギエフ使いのため、梅原さんがザンギエフのコーチを紹介するとのことで、同じくプロゲーマーの板橋ザンギエフさんも後追いで出演されていた。こちらの板橋さんも格ゲーのとても有名なプロゲーマーとのことだったが、とても陽気な親戚のお兄ちゃんのような親しみを感じる雰囲気があった。

 ともかく、いままでどちらかというと敬遠していた格闘ゲームと私との繋がりが始まったきっかけは、この壱百満天原サロメさんと梅原大吾さんだと思っている。そもそも格闘ゲームというと、ものすごい偏見だが「男だけの世界でなんか危なくて粗野」というイメージを持っていた。それは幼少期の思い出に深く関わっていると思う。ゲームセンターで怖い人たちが囲んでやるもの、兄達が集まって泥臭く喧嘩腰に戦うものと思っていた。幼い頃にストリートファイターが流行っていたので昇龍拳やチュンリー等の名称は知っていたが、興味がなかった。

 そんな格闘ゲームをライバーでお嬢様になりたいサロメさんが、ザンギエフというどでかい筋肉お化けのプロレスラーを使うというのがおもしろくて、板橋ザンギエフコーチとのおコーチ動画を楽しみに観るようになった。梅原さんがめぐり合わせたサロメ嬢と板ザンさんというペアがものすごく魅力的なコンテンツとなっていった。

◇梅原大吾さんとは

 梅原さんとは何者なんだろうと調べてみると、私の勝手な解釈かもしれないが日本初のプロゲーマーで格闘ゲーマーの先駆者、ということのようだった。KZHCUP以降、梅原さんや板ザンさんにも興味を持ち始め配信を観るようになった。
 私がたまたま観ていた梅原さんの配信内でのお話の断片をつなぎ合わせたものなので正確な情報ではないかもしれないが、梅原さんはこの年、国内外の大会には出場せず、格ゲーマーと一般人を繋げること(これはストリーマーを通して繋げることも含める)や世の中へSTREET FIGHTER6を広めるために活動をしているようだった。現役のプロゲーマーが大会出場を休止することは、素人目線でも一大事のように思えた。引退するのではないかと邪推される恐れもある。真相は分からないし、贔屓目に見ているかもしれないが、私欲ではなく、格闘ゲーム業界全体を盛り上げるためには、このSTREET FIGHTER6が発売されたタイミングを逃してはいけないと考えたのではないかと思えた。または、単に発売したてのゲームなので様子をみた、ということだったかもしれないが、前者の考えの方が夢がある。梅原さんは多くは語らないだろうし、発言の全てを追えないので、ここでは自分の捉えたいように解釈したい。

◇趣味:STREET FIGHTER6観戦

 梅原さんや板橋さんのSF6への愛ある動画を観ている中で、私の格闘ゲームへの興味は「観戦すること」に向かっていく。サロメ嬢と板ザンさんのコーチ動画を見始めてから、梅原さんや板橋さんのYouTubeを登録し欠かさず観るようになった。いままで格闘ゲームを見るときは体力ゲージしか見ていなかったので、「ああ、勝ったね、負けたね」くらいしか分かっていなかった。そんな私が段々と必殺技を出すためのゲージやインパクト、パリィというもの、また「2先」「〇先」の存在や意味が分かってきた。そうなると単に「体力量を減少させるだけの勝敗のゲーム」ではなく、「様々なドラマがあって本物の格闘技のように熱くおもしろいエンターテイメント」なのではないかと思うようになり、SF6の試合を観ることが趣味となっていった。お気づきかもしれないが、この段階で私はSF6自体を一度もプレイしたことがなかった。あくまで、「観戦」が趣味。観戦だけでも楽しめることは対戦ゲームがesportsと言われる所以の一つかもしれない。

 観戦する中でプロゲーマーがたくさんいること、プロゲーマーが所属する団体があること、国内外に広くオフライン大会があること等さまざまなことを知っていくこととなった。
 プロゲーマーとはどんな人たちがいるの?プロゲーマーを擁する団体(会社)ってどういうところがあるの?大会ってどんな感じなの?と知りたいことが増えていく。ついには、今年4月27日~29日に開催された『EVO Japan 2024』へオフライン対戦を観戦しに行くまでになっていった。最終日の決勝戦を観たい!と思い、地方に住む私は遠路はるばる有明へ赴いた。ライブ観戦はとても盛り上がりEVOJapanを大いに楽しんだ。

◇MenaRD選手とコントローラー@EVOjapan2024

 私が購入したチケットは「プレミアム(エリア指定)」というもので、配信台の目の前のエリア(自由席)で観戦できるものだった。そのため、EVOJapanで優勝したドミニカ共和国出身のMenaRDさんの配信台での様子を間近で観ることができた。MenaRDさんはゲームセンター筐体型コントローラー(アーケードコントローラー、通称アケコン)ではなく普通のコントローラー(パッド)を使っていて、「え!格ゲーってパッドでも勝てるの!?」とものすごい衝撃を受け、目から鱗だった。このことをターニングポイントに、私でも格ゲーができるんじゃないのか、と思うようになった。もともとPS5でゲームをしていたため、パッドなら気楽に始められる。格ゲーの敷居の高さの一つには、「アケコンを使用しないと強くなれない」という思い込みがあったと思う。

 さっそく、PS5で体験版のSF6をダウンロードし、PS5純正のDualSense ワイヤレスコントローラーで始めてみた。SF6のランクモードにはコントローラーの入力方式が『昔ながらのコマンド入力方法のクラシック入力』と『必殺技のコマンド入力が省略されたモダン入力』の2種類がある。私はコマンド入力に憧れており、格ゲーをするなら入力方法はクラシック一択だった。しかし、コマンドを入力するのに、どうしても指が痛いし、うまく入らない。専用のパッドが欲しいなと思い始め、EVOjapanで試遊販売していたHORIの「ファイティングコマンダーOCTA」を購入することにした。手元にOCTAが届くと、ボタン配置を調べて使い始めたところ、コマンドが入るようになった。観戦という格ゲーの表面で泳いでいた私も、とうとうゲームをするという格ゲーの沼へ足を突っ込んでしまったのだった。


◇格闘ゲームの沼

 そんなわけで、結局は梅原さんが画策していたかのように、流れに乗って格闘ゲームの世界に魅了され今に至っている。SF6のランクマッチモードの格付けには8種類(上からMASTER、DAIAMOND、PLATINUM、GOLD、SILVER、BRONZE、IRON、ROOKIE)があり、現在、私はSILVERの柵から飛び上がることができずもがき苦しんでいる。ランクマで負けが連続すると「もう止めだ、止めだ」とSF6を閉じてふてくされるが、次の日には「やるか」とSF6を点ける、ということを繰り返す日々。トレーニングモードやCPUとのONEonONEで心を癒しながら続けている。まだまだ知らないことが多すぎて、これからもしばらくは、格闘ゲームの世界からは抜け出すことができなさそうだ。

↓KZHCUPのサロメ嬢のチーム「上からドン☆」初顔合わせの動画。梅原さんがサロメ嬢へ格ゲーの基礎を教える場面は、今見ても基礎を学べる貴重な動画と思います。
サロメ嬢のザンギエフ愛「ザンギエフはかわいい」が身に染みる。
壱百満天原サロメ / Hyakumantenbara Salome YouTubeより

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