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パーマと縮毛矯正の進歩から見るこれからの美容師設計を考える

今日は日々感じている事を書いてみようと思います。

そこでパーマとパーマネントウェーブスタイルという題材で考えてみます。

ちなみに僕がやっているお客様のなかには、どちらもいらっしゃいます。

まず、この二つの違いはなんだろうという事なんですが、パーマで思い描くのは、真っ直ぐな
髪にカールをつけたりして曲げる事を目的としたものと、その名の通り程よくカールをつけ、そのカール自体がヘアスタイルとなっているものをパーマネントウェーブスタイルと言っています。

では、パーマとはなんだろうという事なんですが
ざっくりというと、髪の形状を変えるという事になります。
なので、それが真っ直ぐなものを曲げることなのか、曲がっている物を真っ直ぐにすることなのかは、関係ありません。

後者のものをストレートパーマと言います
今は、ほとんどを縮毛矯正と言ったりしますし、薬剤自体も変わらないので、ストレートパーマと縮毛矯正には違いがなくなって来ています。

話を戻してパーマで考えたときに、その性質を使って何が出来るかという事で言えば、最近では韓国の方から、浮き上がってしまう髪の毛を生え際から寝かしてしまうようなパーマや潰れてしまう根本を立ち上がらせるようなパーマなども発信されてきて、SNSなどを通して世の中の一般の方はすでに知っていたり、経験済みだったりしています。

このように、あらゆる髪の悩みに対してのアプローチ方法が増え始めた事は現代のさ大きな変化です。

以前の考え方で行けば、そんな事は不可能だろうという事も、実際に可能になっていたりするわけなので、驚きです。

今までは、薬剤自体に種類が少なく、可能なスタイルに限りがありました

例えば、強すぎる癖毛の場合、癖を伸ばす事が出来ず、痛みだけが残ってしまったり
逆に伸ばす事は出来ても、明らかに不自然なほど真っ直ぐになっていたりと、なかなかコントロールするのが難しい施術の一つでした。

しかし、現在、様々な薬剤が各メーカーから出され、使用感も仕上がりも格段に良くなってきています。

では何故それほどまでに進歩したのか

これは薬剤の改良が大きな理由ですが、髪の毛のpHの理解と、髪のタンパク質に対して、様々な酸が有効であると言う事がわかって来て、そのための薬剤がどんどん開発されて来ているのもそのひとつとしてあげられます。

以前は薬剤が今ほど多くなく、美容師側の経験と知識とテクニックに比重が大きく、体得するまでに多くの年数を要しました。

何故なら、様々な状態の髪の毛(傷みかあったり、癖の出方の違いやどこまで真っ直ぐにするかなど)
に対して限られた薬剤を使って、量や、時間、テクニックを駆使して仕上げる事が求められていたし、色々な知恵を絞って仕上げなければならず、特に縮毛矯正に関しては、洗い流さなければ、癖がどれほど伸びたかを確認する術が無かったため非常にリスクの高い技術であったと言えます。

それが今はもっと単純に短時間で、行う事が可能になりました。

とはいえ、使用するのは髪の毛の細胞を変化させてしまうような薬剤である事には変わりないので失敗のリスクが無くなった訳ではありませんが、以前に比べ、もっとイージーに、そして仕上がりの向上が見込めるようになったのは驚くべき進歩と言えます。

安易に使えば、痛めてしまう事もある双刃の刃である事には変わりませんが、基本的な知識と技術を待ち合わせ、どうすれば失敗してしまうのかさえ知っていれは、使いこなす事はさほど難しいとは言え無くなってきました。

しかも失敗もずいぶん減りました。

以前は諦めた髪質でも、今は可能になってきています。

各メーカーもさる事ながら、我々美容師側もしっかり知識をアップデートして行かなければ、そんな薬剤や技術があることさえ知ることができません。

全ては、お客様の髪の毛をより綺麗に、扱いやすくすることを目的として、日々取り組んで行がなければ、これだけ増えすぎた美容室と美容師の中で生き残っていくことは不可能でしょう。

SNSで簡単に情報が得られる時代に、美容師と一般の人が見ている情報が同じである事も大きな理由です。

つまりお客様の情報量もかなり増えているわけで、可能だろうという事をすでに知っていたり、望まれる事も非常に高い事からももっともっとプロとしての勉強量が求められている事は、日々感じています。

ただし、そんな中でも、あらゆる事を一人の人間が、一つの美容室が可能になるかといえば、それには限界があります。

薬剤の進歩とその知識の量を考えても
全てを網羅するには、金額と時間のコストがかかりすぎるという問題が出てきます。


なので、いまは特化する、もしくは諦めるという事が必要になっています。

パーマネントウェーブが得意
縮毛矯正が得意
カットが得意
トリートメントが得意
カラーが得意
ハイトーンカラーが得意

もしくは
縮毛矯正はやらない
ハイトーンカラーはやらない
白髪染めのカラーはしない
など、やらないという事をうたうことで
薬剤仕入のコスト
勉強にかかる時間のコスト
失敗するリスクのコスト
などを避ける事が出来ます。

お客様自身も割り切る事もできますよね
ハイトーンカラーはしないけど、カットが上手いので、カットはここで、などというお客様も増えてくるわけですね。

お客様も複数美容室を掛け持つ事も珍しくありません。

おかかえの美容師を複数持つ事も今後さらに増えてくるでしょう。

我々としてもそんな未来に向けてしっかりと対応し、その中でも選んでもらい、支持される側になるための努力が必要になってきていることは避けられない事実である事を良く理解し、今後も仕事に取り組んで行きたいと思います。



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