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妹とキノコ

幾千年の昔、とある国のお城に五つ子の男の子が生まれました。

王様は五つ子をとても可愛がっていましたが、ある年新たに妹が生まれると、王様は五つ子を放って妹だけを可愛がるようになりました。

五つ子は娘に嫉妬し、妹を事故に見せかけて殺すことはできないかと思いました。

五つ子は休みの日、森の奥にある魔女の小屋に足を運び、魔女に妹を殺してもらうよう頼みました。

「お前たちの妹に今魔法をかけたよ。帰って妹にやさしくすると良い。妹がお前たち五つ子に”ありがとう”と言うとたちまちキノコになってしまう魔法だよ。」


五つ子はお城に帰ると、妹のためにバラをプレゼントし、豪華な手料理を丹精込めて作り、庭のブランコを押してあげ、お風呂で体を洗い、ベットの上で子守唄を歌ってあげました。

すると妹はうとうとしながら言いました。

「ありがとう。お兄ちゃんたち」

その瞬間、妹はキノコの姿になってしまいました。

五つ子はキノコになった妹を庭に放り投げ、捨ててしまいました。

妹が死んだことを聞いて王様はひどく悲しみましたが、それから王様は以前のように五つ子に愛すようになりました。


冬を超えると庭に大量のキノコが生えてきました。

お城の召使いはキノコを見て、今晩のおかずをキノコのスープにしようと思いました。

その晩、食卓にキノコのスープが並ぶと五つ子は一目散に頬張りました。

すると五つ子は一斉に倒れ、死んでしまいました。


庭に生えたそのキノコには、毒がたくさん含まれていたのです。

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