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ハチミツ

幾千年の昔、捻るとハチミツがあふれ出す不思議な蛇口がありました。

人々はなぜ蛇口からこんなにも甘い蜜が出てくるのか、そしてこの甘い蜜がどのようにして作られているのかを知りませんでした。

しかし人々はこの蛇口から採ったハチミツでマフィンを作り、それを売ることで生計を立てていました。

とある日、老婆がハチミツを汲む為に蛇口に行くと、大量の蜂がプンプン怒って待っていました。

「おいら達の作ったハチミツを横取りしてんじゃあねーよ」

「馬鹿なことを言うんじゃあない。この甘い蜜は私たち人間のものだ。」

この甘い蜜が、目の前の蜂によって作られていることなど知る由もない老婆は食い下がることをしなかったので、その場で蜂たちにめった刺しにされ殺されてしまいました。

これに怒った人々は老婆を殺した蜂たちを懲らしめようと立ち上がり、蜂たちの住処を襲撃しました。

蜂たちを皆殺しにした人間たちは鼻高々に帰還しましたが、数日後に自分たちの過ちを自覚することになります。

「大変だ。蛇口から一滴もハチミツがでてこないぞ」

村中は大パニックになりました。

ハチミツが取れなくなったことによりおいしいマフィンを作れなくなり、経済基盤をおおきくマフィンに依存していた人々は一月後餓死してしまいました。


感謝の意を示す相手を間違えないことです。

君が馬鹿にしたあの人のおかげで

今の君が存在しているかもしれない。


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