見出し画像

運命の人はたくさんいる。

幾千年の昔、永遠の愛を誓いあう男女がいました。

とある日男が言いました。

「何があっても離れない。来世でも一緒だ」

女は答えました。

「もちろん!ずっと一緒」

彼らは正真正銘愛し合っていたのです。


とある日、音楽家の男は仕事場で指揮者に怒られました。

「どうしてそれほど自分勝手に演奏するんだ。周りを立たせるということも考えないとこの音楽団じゃあとてもやっていけないよ。」

男は不満でした。

なぜ誰も自分の最高な音楽を理解できないのか、憤りを感じていました。

そんなある日、美少女が男の前に現れて言いました。

「あなたの音楽素敵ですね。」

男は自分を認めてくれる人物が目の前に現れて歓喜し、これを運命だと思うようになりました。

次第に男と美少女は惹かれあい、男は女に内緒で美少女と会うようになりました。



とある日、お城の料理士として働いている女は王様にはなしかけられました。

「おお、これほど美しい女がわしの城で働いておったのか、そなた今夜わしの部屋に赴け。わしの女にしてやろう。」

女は男の事を愛していたので、王様の御願いを一度は断りましたが、そのあと見せられた大量の財宝に目がくらんで最終的に許諾しました。

それからというもの女は男に内緒で王様の部屋に赴くようになりました。



そんなある日、女は男に言いました。

「ねえ、私の事愛してる?」

「もちろん、世界で一番愛しているよ。」

「よかった!私も愛してる。」



家で二人で晩ご飯を食べた後、女は言いました。

「ごめんね。今夜も明日の朝ごはんの仕込みがあってね、お城に行かなきゃならないんだ。だからそろそろ行くね。」

男は言いました。

「うん、仕事ならしょうがないね。でもちょうどよかった。僕も今夜は外せない仕事があったんだ。」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?