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施設への転職を考えているナースへ

私は病院勤務には戻りたくない、と思っている。
病院の内科系病棟に勤めていた頃は、朝から晩まで動き回り続けて、毎日へとへとだった。

忙しいだけで充実感がなく、虚しくなっていた頃に介護保険制度が始まった。
看護を違う視点から経験したいという思いでケアマネ資格をとり、在宅医療を数年経験し、育休を挟んでデイサービス、有料老人ホームと渡ってきた。

私が勤める施設は、24h看護師がいる体制をとっているので、ある程度の医療行為のある人は受け入れられる。
ただし規定でやってはいけない医療行為もある。採血、静脈注射、バルンチューブの交換などである。

入居者は130名で、日勤は看護師5名前後、夜勤は2名。
日勤の分担は、リーダー、処置2名、経管栄養2名、フリー。

処置は、皮膚に軟膏を塗布したり褥瘡の処置がメイン。他には吸引や在宅酸素機器の管理など。ケアスタッフのフォローで、食事介助や見守りに入る事もある。

リーダーやフリーは、往診に帯同したり体調の悪い入居者の対応にあたる。受診となれば関係各所に連絡を入れたりサマリーを準備する。

往診には内科、皮膚科、眼科、精神科、歯科が定期的に来てくれる。そこの医師との関係性も業務を円滑に進めるためには重要。

基本的に業務量は多くない。定時には余裕を持って終了できる。自分がやりたい事をやる余裕もある。例えば、〇〇さんの足趾の汚れや爪が気になってるから今日はじっくりケアしようとか、引きこもりがちなあの人を屋上に連れ出しちゃおうかなーなんて。そういう余裕は自分のモチベーションを保つのにも大切なことだと思う。

尊厳とは何だろうとか、日々の小さな楽しみとか、そういうプラスαを考えるのは自分の人間性も高めてくれるんじゃないかな。

ただ、病院勤務が長いと施設との違いにカルチャーショックを受けるはず。清潔操作や感染対策なんて、これはあり得ない...とか、エビデンスが...とか言いたくなってしまうだろう。でも、人は環境に順応していく生き物なので、心配は要りません(笑)

病院が特殊な環境であって、施設は「生活」です。高齢者の「生活」には無菌操作や厳しい食事管理はほぼ不要です。

着目すべきなのは「生活の質」。人生の最期を穏やかに、安心して過ごせる場所かどうかという事。
そこをじっくりと考えられると、施設ナースを楽しめるでしょう。


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