tomiya

ショートショートやエッセイを綴ろうと思っています。どれも短く纏める予定ですので気軽に読…

tomiya

ショートショートやエッセイを綴ろうと思っています。どれも短く纏める予定ですので気軽に読んでください。

最近の記事

星新一賞

また星新一賞に応募します。もちろん落選したらここで小説は開示します。

    • [ショートショート]未来の行方

       時は21世紀、ここに黙々と作業する白衣を着た2人の科学者がいた。 「やった、完成だ。これで理論的には未来に行けるぞ。戦争や貧困などこの世界にはうんざりだ。未来にはこういった問題は解決して素晴らしい世界が待っているに違いない。」  そう博士は力強い声で話した。 「博士、おめでとうございます!長年の苦労が報われましたね。これでこの世界から希望溢れる未来へ行けますね。未来はどんなに素晴らしい桃源郷になっているでしょうね。」  助手も大きな声で興奮気味に話した。博士の発明し

      • [ショートショート]魔法の銃

         薬を飲んだり放射線を浴びたりして人間や動物が大きくなったり小さくなる話はフィクションの世界では良くあることだが、これを真面目に研究している科学者も実際に存在する。  その科学者は物体の構成要素である原子に注目し、原子を小さくすればその物体を小さくすることが出来、逆に大きくすればその物体を大きくすることが出来ると考えていた。  原子を構成するのは原子核と電子であり、それは太陽と地球の関係に似ている。電子は太陽である原子核の周りを地球のようにグルグル回っている。  そこでこの科

        • [ショートショート]宇宙の彼方へ

            私はもう2年も宇宙船に乗っている。目指すは4.24光年の距離にある「ケンタウルス座アルファ星Cの惑星プロキシマb」科学の粋を集めた宇宙船でも21年ほどかかる。  しかし一人ではない、妻も一緒だ。二度と地球に戻れないとても長い航海だが私達は自ら志願した。  事の始まりは5年前に遡る。  私は当時、普通の会社員で宇宙飛行士など無縁の生活を送っていた。2人いる子供は成人となっていて、それぞれ独立して幸せに暮らしていた。  そんなある日の朝、新聞に大きな広告が載った。 「宇

        星新一賞

          星新一賞に応募しました。落選したらここで小説は開示します。せめて中間審査は通りたいですけど。

          星新一賞に応募しました。落選したらここで小説は開示します。せめて中間審査は通りたいですけど。

          [ショートショート]黄ワイン

          ワインを友人に頂いた。起業したのだが、それのお祝いだそうだ。起業は誰にでも出来る、続ける事が大事だと言われた。確かにその通り、これからは一国一城の主、少ないとはいえ従業員を路頭に迷わせる訳には行かない。 「ワインを貰ったがあいつが普通のワインを贈るとは思えないな」 友人は悪く言えばカッコつけ、よく言えば粋な男なのでこのワインには何か意味があるに違いない。そこで調べてみるとこのワインは黄ワインと呼ばれる珍しいワインだとわかった。しかもこのワインは熟成を必ず6年以上するらしい

          [ショートショート]黄ワイン

          [ショートショート]メガネ

          メガネを新調した。特に変わったところの無い普通のメガネのはずだった。最近、頭が痛いと妻に相談したらメガネが合っていないのではと言われてメガネ屋へ行ったらビンゴ。だいぶ度数が違っていたらしい。新調したメガネを店で受け取って掛けてみると何やら変なものが見える。 「うわっ!」 メガネ屋で思わず大きな声を出してしまった。メガネ屋の店員の後ろに居なかったはずの初老の男が居たからだ。慌ててメガネを外すと居ない。メガネを掛けると居る。なんだこれは。他の人を見ると誰もが後ろに人が居る。こ

          [ショートショート]メガネ

          [ショートショート]ティッシュの箱

          何の変哲もないティッシュがテーブルに置いてある。男はそれをサッと引っ張り鼻をかもうとした。その時ふと何か分からないが違和感が頭を過ぎった。何かおかしい。答えはすぐに出た。 「そう言えばこのティッシュしばらく替えてないぞ」 男は花粉症なのでティッシュの消費は激しいはず。なのに何か違和感がある。そう先程の独り言。ティッシュが減っていないのだ。いや誰かが補充しているような感覚。 「先週ドラッグストアで買ったものだよな」 男の記憶に間違いがなければ一週間程経っている。花粉症は

          [ショートショート]ティッシュの箱