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【ダンボールの基礎#4】ダンボール箱ってどうやって作るの?製造工程を解説!


ダンボールの正式名称は『ダンボールシート』といいます。ダンボールは最初から箱の形をしているのではなく、平たい一枚のシートなのです。

そして、その平たいシートは一体なにからできているのかというと……私たちが使ったダンボールからできています!

今回は『ダンボールの製造工程』を解説します。
身近などんなふうにダンボール箱が作られるのか、実はあまり知られていないことだと思います。

ダンボールの原材料……それはダンボール?

ダンボールの古紙回収を行っているトラック。古紙回収を行っているスーパーマーケット。資源ゴミの日。わたしたちの周りにはダンボールをリサイクルする窓口がたくさんあります。あらゆる場所から集められたダンボールたちは圧縮・梱包されて、製紙会社へと運ばれていきます。

日本のダンボールの回収率はなんと95%以上。家庭や企業で分別された使用済みのダンボールは、製紙工場でダンボール原紙というものに生まれ変わります。そして、ダンボール原紙から新たなダンボールが生まれるというわけなんです。

皆さんはダンボールのリサイクルマークをご存知ですか? 箱の開いたダンボール箱をぐるりと矢印が囲んでいるマークのことです。

このマークは役目を終えたダンボールがまたリサイクルされるように、人々の意識向上を目的として作られました。

ダンボールは燃えるごみと一緒に出されてしまったり、濡れたり汚れたまま放置されるとリサイクルが難しくなってしまいます。そのようなことを防ぎ、わたしたちが「ダンボールはきれいなままリサイクルに出そう!」と思うためにこのマークが作られたというわけです。

ダンボールはこうしてリサイクルされる

使用済みのダンボールは、まず古紙回収業者の元に集められます。ここでダンボールに異物が入っていないかをチェックします(ダンボールを留めていた針や伝票など)。チェックが終わったら、ダンボールたちは製紙工場へと運ばれます。ここから、ダンボールは以下のような工程を経て、新たなダンボール箱へと姿を変えます。

ダンボール原紙の製造

ダンボールシートの製造

ダンボールケースの製造

ダンボール原紙の製造工程

ダンボール原紙はパルパーと呼ばれる機械のなかに入ります。このパルパーという機械は、異物を取り除きながら繊維をほぐし、ダンボール原紙の原料を作るというもの。こうしてできあがった原料は抄紙機(しょうしき)によってダンボール原紙の形にしていきます。

抄紙機の中では、まずワイヤーに原料を広げ、紙の層を作ります。これに圧力をかけ、水分を取り除いたら、蒸気で乾燥させ、縮みや張りを調整し、表面に光沢を付けていきます。こうしてできた紙を一旦巻き取り、所定の幅と長さにカットすると、ダンボール原紙の完成です。

ダンボールシートの製造

ダンボール原紙から今度はダンボールシートが作られます。

製紙工場からダンボール会社へ運ばれ、いよいよわたしたちが見慣れているダンボールの形に近づきます。

ダンボールシートとは、ナミナミの形の中しんを表ライナー・裏ライナーと呼ばれる平らな原紙で挟んだもの。この3層の形を作るために、長さ70m~100mもあるコルゲータ―という機械で三つの紙を貼り合わせていきます。

まず、「シングルフェーサ」という部分で、中しんをナミ型に成形して糊をつけます。そして、裏ライナーを貼り合わせて片面のダンボールシートを作ります。その後、片面ダンボールシートのもう一面に糊をつけ、「ダブルフェーサ」で蒸気で熱を加えて糊を乾かす工程をします。最後に「スリッタースコアラ」でけい線を入れたら、決められた寸法にカット。これでダンボールシートの完成です。

ダンボールケースの製造

当社(トミタパックス株式会社)の製造工場にて

ダンボールシートに印刷し、切れ目を入れ、糊付けしたり、型抜きをすればダンボールケースの完成です。このときに出るダンボールの切れ端はすべて製紙工場へと送られます。

ぜひリサイクルしやすい状態で処分を

ダンボールがどうやって作られるのかを知ったことで、わたしたちのやるべきことも見えてきたように思います。

ダンボールを新たなダンボールに生まれ変わらせるために、一番重要なのはわたしたちの正しい分別。ダンボールに針が残っていたり、伝票がついたままだと、ダンボールを質の良いダンボールに生まれ変わらせることができません。ほかの古紙と混ざらないように、そして古紙回収業者さんが回収しやすいように、使用済みダンボールは畳んでひもで縛る。このようなちょっとした努力でまたキレイなダンボールを使うことができるなら、やってみようかな、と思いますよね!

一人一人ができる努力で大切な資源を効率よく使っていきましょう!


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