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既存擁壁の話

こんにちは
今回は新規案件で調査した既存擁壁のお話です。

横浜市某所にて自宅の建て替えの相談がありました。
ご両親が建てた家でとても几帳面だったお父様が全ての資料をファイリングしておりました。

資料を拝見しながらお客様から
『うち、裏が無駄に空いてるんだよね。
今度建てる時は道路側を空けたい』と。

なんでそんなことしたんだろう?と思って資料を拝見してました。

計画地は大きめな古い分譲地
分譲地自体も高低差がかなりあります。
計画地は道路から約1.7m程度上がっている
Googleのストリートビューでは見えなかったが、裏は高くなっていて擁壁があるようでした。

ムムッ!
安息角の検討の図面がで出来ました。
高さは3mを超えている!

【安息角】とは、
計画地に安全性の確認できない擁壁や角度が30°を超える斜面などがあった場合、崖崩れを考慮した建物の設計としなければなりません。
その時の目安となる角度が安息角です。
(安全性のない擁壁も崖と同じ扱いになります)また、3mを超えると横浜市条例の崖条例に適合させる計画としなければなりません。

【良くあるダメなニ段擁壁】
間知擁壁の上にコンクリートブロックの土留めがあるパターン


横浜市役所で調べてみると、
擁壁に関する許可の取得はあるのですが検査済が無い、、、

提出先の確認検査機関にも確認しましたが、
『検査済が無く、3mを越えている崖なので安息角での検討が必要です。』と

ですよねー😅となりました。

ちなみに、RC造の防護壁を作るか、RC造の壁とする、木造の場合は基礎をそのまま安息角以上に立ち上げれば良いのですが、それはそれでコストがかかってしまいます。

今回は当時からしっかりと検討された計画となっており、崖から建物を離して計画ましたが、意外と対策せずとも建ってしまっている家が多く存在します。

ですので、『次も同じ位置に家が建つと思っていたのにダメだった』『防護壁や高基礎が必要で、思いのほかコストがかかった』なんて事も多くあります。

お隣や道路とに高低差がある土地の場合は、計画にお気をつけください。


ちなみに別件でイラストにあるような物件があったので、本日検査機関に相談しました。

これに関してはまた次回にまとめたいと思います。




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