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ルーマニア概況(4)海外への移民問題2

 以前の記事で、ルーマニア国民の国外流出問題について取り上げました。

その記事では、移民流出があるにも関わらず、GDP成長率が高く維持されていて、
その要因として、一人当たりGDPの上昇率が高いことを挙げていました。
そこから、移民の流出が抑えられれば、さらにGDPが増加できるのではないか?
という仮説がありました。
https://note.com/tomishop/n/n8970f0fe7d3e

 しかしながら、そうして移民として流出していた人は西欧のようにより高所得な国へ移住することで、より生活が豊かになることを求めていた人は、所得がルーマニア国内で低かった人であるとするならば、国民の流出が止まったところでルーマニア国内でのGDP上昇要因としてあまり働かない可能性もあるのでは?という疑問もありました。

そこで、今回は、国外に移住したルーマニア国民は、どういった要因で移住しているのか、というところに焦点を当ててみようかと思います。

いろいろと調べてみる中で、一つの論文を発見しました。
http://www2.ngu.ac.jp/uri/syakai/pdf/syakai_vol5804_04.pdf
この論文ですと、移民に関するデータをもとに、国内の状況がどういった状況だと、国外移民が増加、減少するのかについての考察があります。

同論文の60ページに記された結論では、①失業率が高まっていると国外移民が減少する傾向②就業率・平均月収が増加すると国外移民も増加する
といったことが指摘されており、それに基づくと、生活水準が豊かではないために、より豊かな生活を求めて移住しているわけではない可能性があるようです。

引き続き、ルーマニア統計局のデータで読み取れることなどから、この移民問題とルーマニア経済の発展についての考察を続けていく予定です。

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